表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/73

第六十九話


「社会って、なんでこうなんだろうな」 

 数分間の静寂の中、景佑が話し出した。

「弱者が淘汰され、それが後になり爆発するようになる」

 黎慈にも、少なからずその気持ちがわかるような気がした。

「…」

 だが、言葉が出せずにいた。

黎慈と景佑は、立ち尽くしたまま静寂に包まれていた。

和寿が消えていった後の余韻が、心に重くのしかかっている。

 和寿の過去を知っている手前、温情をかけてしまっている。

虫がいい話かもしれないが、擁護をしたい気持ちもある。


「…そんな悠長に立ち止まっているわけにも行かなさそうだぞ…」

 景佑が明らかにヤバい表情をしていた。

その表情のまま、指を指す。

 指の先を見ると、砂埃が待っているのが見えた。

「逃げるぞ!」

 黎慈は直感で危機を感じ、即座に町の方へ走り出した。

景佑もそれについて行くように、その場から逃げ出す。


「はあ、はあ…」

二人は無事に町についた。

 膝に手をつき、息を切らしながら後方を確認する。

砂埃はある一定の地点で止まっていた。

 夢の核である地点が、完全に埋もれていた。

「これであの場所が消えたのか…」

 夢の核は和寿の欲望の塊。

つまり、あの核がなくなった時点で厚生ができていると言う証拠だ。

その事実に、そっと胸を撫で下ろす。

「…俺らも帰るか」

 黎慈は再び前を向き、明るい表情で話し出す。

「そうだな」

 景佑も笑い混じりの声で、そう返す。

二人は夢の世界を後にし、現実に帰還した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ