第六十七話
黎慈は右手でブラムを使い、怪物の攻撃を受け流す。
黎慈のカウンターと同時に、景佑が攻撃をする。
攻撃を受けた箇所が光り、波紋状に空間に広がっていく。
視界が眩く光る。
「うお!」
黎慈が目を手で隠す。
それでも、光が貫通して差し込んでくる。
一瞬だったが、目が痛いほどだ。
間髪入れずに目を開ける。
景佑が攻撃をしてであろう箇所がただれていた。
「効いてるぞ!」
景佑がそう言う通り、攻撃は通るらしい。
そうと分かれば、攻撃を繰り返していくだけだ。
何度か攻防を繰り返したが、いくら回復したとはいえ体力的に厳しい。
景佑の方をも見ると、明らかに疲れが出ている。
だが、それはあの怪物も同じだ。
皮膚は度重なる攻撃で、どんどん爛れていっている。
動きもかなり鈍くなっている。
おそらく次で止めだろう。
「景佑!決めに行くぞ!」
黎慈はそう呼びかけ、全速力で怪物に向かって行く。
景佑もそれに呼応するかのように、黎慈の後を追いかけて行く。
「グオオオオオ!!!!!」
それに伴い、怪物もこちらに突っ込んでくる。
正真正銘、真っ向勝負だ。
黎慈は手だけでなく、全身を使ってブラムを溜め始めた。
「っぐ…」
今までに感じた事のない重圧を感じる。
体がどんどんと重くなって行く。
目を閉じ、意識を集中させる。
『これで決める…!』
全身にブラムが完全に溜まったのを感じた。
その瞬間、目を開ける。
目の前には怪物がいた。
黎慈は人とは考えられない速度で右手を前に突き出す。
轟音と共に、凄まじい閃光が接触部に生じる。
二人の力は拮抗し、光と共に両者ともその場でぐらつく。
全身に激痛が走りながらも、その力を緩めずにいる。
そうしていると、怪物の力が緩んだ。
どうやら景佑が怪物を横から攻撃したらしい。
怪物の力がどんどんと緩くなる中、黎慈は力を振り絞りブラムを集中させる。
「いけえええええええええ!!!!!!!」
黎慈のその掛け声と共に、周囲が轟音と光に包まれる。




