第六十三話
五回目の攻撃だっただろうか。
何度もカウンターでブラムを使い、流石に疲弊してきていた。
しかし、何度攻撃をしても結局は再生してしまう。
埒が開かない。
「はあ…はあ…」
隣を見ると、景佑の息も切れていた。
二人の限界も近い。
「何か…手を打たないと…」
黎慈がその言葉をこぼす。
二人の間には焦燥感が漂っていた。
その焦りとは裏腹に、何も考えが浮かんでこない。
疲れで思考能力も低下している。
「一か八か、か…」
景佑の口から言葉が漏れる。
「黎慈、和寿の攻撃。全部受け切れるか?」
景佑がそう聞いてくる。
体力も限界だ。
景佑も同じだろう。
「一度なら…大丈夫だ」
「任せてくれ」
おそらく、体力的にも最後だろう。
「守ってばっかじゃ何もできんぞ!」
和寿がまた突撃をしてくる。
カウンターの時と同じように右手にブラムを溜め込み始めた。
それと同時に攻撃をする用の左手にもブラムを溜め込む。
「っく…」
頭が痛くなってきた。
二つの意識を最大にしなけれないけない。
雑念を取り払い、両手に意識を集中させる。
疲労が最大になっていく感覚がする。
風邪の時のように、視界全体がクラクラする。
「よし…!」
ブラムが最大まで活性化したのを感じ、右手を和寿の攻撃に使う。
「ガンっ!」
手に重く感触がのしかかる。
一瞬だったが、手が折れそうなほどの重圧を感じた。
和寿が怯んだのを確認し、すかさず左手を和寿の左脇にお見舞いする。
「何度やっても同じことよ…」
和寿はまたそう言うと、暴風の中に消えて行った。
その中に果敢に景佑が入って行った。
中は外側の暴風のおかげで、守られていた。
その中心には和寿がいた。
その和寿に向かって、ブラムを撃ち放った。
「なっ!なんでっ」
和寿がそう言うと、暴風が吹き止んだ。
和寿を見ると、黎慈にブラムを使われた跡が傷として残っていた。
「なんとか成功したか…」
二人とも体力の限界だった。
『成功してくれ…』
そう思いながら和寿を見ていると、和寿が話し始める。
「ぐっ…この俺がなぜ…」
和寿が掠れた声で言った。
二人は勝利の糸口を見つけ、安堵していた。
だが、そんな安堵はすぐに打ち消されることになる。




