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第五十六話

「なんか雰囲気変わったな、ここ」

 黎慈が歩きながら独り言を漏らす。

今日夢の中に来た時から感じていたが、かなり異様な状態だった。

 空に浮かぶ月のような衛星が、手が届きそうなくらい近づいている。

「今現在、この場所はかなり不安定な状態ですから、夢の核もかなり変わっているかと思われます」

 黎慈があたりを見渡していると、夢の住人が話し始めた。

「おそらく、いま周辺に化け物が出ないのも、夢の核に集中しているからだと思われます」

「あくまで憶測ですが…」

 夢の住人が自信なさげに話した。

「なるほど…」

 黎慈は下に視線を落とした。

「てことは、夢の核は大変なことになっているのか?」

 景佑が質問をする。

「今あそこには、夢の世界のほぼ全エネルギーが集まっています」

「どんな状態になっているかは検討がつきません。くれぐれも安全に」


四人で話していると、夢の核が見えてきた。

前までの屋敷の形とは打って変わり、かなり異形な形になっていた。

「やはり…正面からは難しそうですね」

 夢の住人が言葉をこぼす。

「どうするんだ?」

 黎慈が夢の住人に聞く。

「まずは朱音さんを現実に返します。そのためにも、夢の核の内部に入る必要があります」

「…作戦はあるのか?」

 黎慈が再び質問をする。

「もちろん。ですがブラムを持っているあなた方の力が必要不可欠です」

「ただ、少し前にお話しした通り、現実に帰れなくなる可能性があります」

「…最後にもう一度聞きますが、本当に大丈夫ですか?」

 二人の考えはとっくのとうに決まっていた。

「もちろん」

 夢の住人は安心した顔をした。

「承諾いたしました。では詳細をお教えします。少し安全なとこまで行きましょう」

 四人は近くにある路地裏に入って行った。


「まず、黎慈さん」

 名指しで呼ばれた。

「あなたは夢の核の中心部にいるであろう夢の主人、ここでは和寿と言いましょうか。その方に接触し、夢の主人の力を極力抑えてください」

「方法は任せます」

 黎慈は頷いた。

「分かった」

「一つ聞きたいんだが…」

 黎慈が夢の住人に聞く。

「そのまま和寿を無力化させて、夢の核を無くしてもいいのか?」

 黎慈にとって都合が良かった。

どっちにしろ今日、この夢の核を無くさなければいけない。

「問題はないですし、そうすれば死ぬ可能性もほぼゼロになります」

「ただ、実力的にかなり厳しいかと…」

 そんなことは分かっている。

「そんなことを聞きたいんじゃない。やって良いのかって聞いてるんだ」

黎慈の声に場が凍りつく。

「それ自体は問題ないです」

「分かった…」


「次に景佑さん」

「あなたは私たちと行動してください」

「ブラムがないと、夢と現実の狭間がわかりません。そのためにも、護衛としてこちらは三人で行動します」

「…言い方は悪いですが、黎慈さんは囮です」

 黎慈は覚悟を決めた。

「…この作戦しかないんだろ」

「…はい」

 黎慈は深くため息をした。

「分かった」

「…ありがとうございます」

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