第四十二話
「ここから出るには、先天的なブラムの能力が必要です」
「言わば、潜在能力というものでしょうか」
「潜在能力?」
景佑が困惑の表情でその子に聞き返す。
「はい。ブラムの適性は生まれた時に決まっています」
「お二人は、ブラムの適性が人と比べて著しく高く、だからこそ救世主として抜擢されたのだと思います」
「あの方の考えていることはよく分かりませんが…」
「とにかく、今現在そちらの方がここから出る方法はありません」
結論が出たようだ。
ただ、まだ心の奥で引っ掛かりがある。
「あの方っていうのは、一体?」
黎慈が聞き返す。
「お二人は会ったことがあるはずです。夢と現実を繋ぐ、重要なあの方です。私も詳しい名前は知らないし、言えないのですが…」
「…分かった。本当に出られる方法はないのか?」
「完全に無いという訳ではないです。ただ、かなりのリスクを孕んでいます」
「私からは薦められません」
嫌な予感がする。
「今日一日で出来るものでもないですし、最悪の場合、お三方の現実での意識が戻らない可能性のあります」
三人は少し考え込んでいた。
ただ今の状況を打破するために、聞いてみることにした。
「…聞かせてくれないか?」
黎慈がそう聞く。
「承知致しました。少し長くなりますので、一度夢の核から出ましょう」
四人は屋敷の敷地内から出た。
「ここまでくれば安全なはずです」
かなり離れた路地裏まで来た。
道中は化け物に出会うこともなくすんなりとついた。
「今から言う説明を聞いた上で、三人でもう一度お考えください」
「まずブラムをお持ちの二人は、夢の核の主人に現実で接触してください」
「接触する必要性はあるのか?」
景佑が質問する。
「この世界は現実での認知、個々の意識が関わっています」
「その認知を変えることで、夢の世界でも影響が出ます」
「具体的な接触方法は今から説明します」
そう言うと、建物の壁に向けて何かの力を使った。
すぐに異変が出た。
プロジェクターのように壁に映像が流れ始める。
「この力もブラムなのか?」
「少し違いますが、概ね同じ力です」
「まず、認知を変えるために個々を意識させてください。どんな感情でもいいです。怒り、悲しみ、恨みなど何でもいいです」
「すると、夢の核で異変があるはずです」
「その時、夢の核はかなり不安定な状態になります。この状態を利用します」
「利用?」




