第四十話
「大丈夫か!」
すぐに合流し、駆け寄った。
体を揺らし、起きるように促した。
だが、いくら揺らしても起きる気配がない。
幸い息はしているようだった。
彼女の方を見ると、その子のことを凝視していた。
「この子、知ってる…」
「実際に会ったわけじゃない、でもどこかで…」
その瞬間、黎慈は彼女の肩を掴んでいた。
「本当か?どこで?」
「ちょっと、がっつきすぎ」
彼女は黎慈をかなり強い力で肩から剥がしていた。
「…悪い」
「でも、本当にどこで会ったんだ?」
気まずそうな黎慈の代わりに景佑が聞いた。
「少し長くなるから、まずはその子を安全な場所に移動させよう」
黎慈がその子を抱き抱え、噴水がある場所まで移動することにした。
「よいしょっと」
黎慈がその子を地面に置いたが、まだまだ起きる気配はなかった。
「さっきの話、聞かせてくれ」
彼女が地面に座った。
「二人も座って」
黎慈と景佑が座った。
「あんまり覚えてないし、名前もわからないんだけど、覚えてるところまで話すね」
「最初に記憶にあるのは夢の中でかな」
黎慈がそのことについて疑問を持った。
「夢ってどっちの意味?」
「この世界じゃないよ。寝てる時に見る方」
「ちょうど十日前かな。内容は覚えてないんだけど、何かを言われたんだよね」
覚えてないのか。
まあ夢で見た内容を忘れることは良くあることだろう。
そのまま話を聞くことにした。
「そして昨日。またこの子が夢に出てきたんだよね。その内容はしっかりと覚えてる」
二人は固唾を飲んだ。
「早くこの街から逃げろって」




