第三十八話
梯子を登り、通路まで出た。
相変わらず静寂に包まれていた。
「…っで…君たちは…何なわけ?」
息切れしているようだった。
「難しい質問だな」
黎慈は口を窄めた。
どうせ自分たちが言っていることは信じてもらえない。
言っても無駄だと黎慈は考えた。
そのまま黙って進むことにした。
「ちょ、答えてよ」
先を急ぐ黎慈の服の裾を掴んだ。
「はあ…」
うるさい口を閉じるために、話すことにした。
「ここが夢の世界って言ったら信じるか?」
「何言ってんの?」
そりゃあそうだよな。
「やっぱいいや」
先を急ぐことにした。
「ちょっと!信じるから!」
また黎慈の服の袖を掴んできた。
仕方なく自分たちの目的と、何者なのかを話し始めた。
「とにかくそう言うことだから、絶対に離れるなよ」
黎慈と景佑は出口に向かって歩き始めた。
黎慈の裾を掴み、後ろをガッチリとついてくる。
数分歩き、やっと出口の扉が見えた。
慎重に扉を開け、登ってきた階段を上がった。
外に出る扉まで着き、扉を置けた。
幸い、外には何もいなかった。
「ふう〜」
その子は地面に座った。
相当疲れていたのだろう。
黎慈と景佑も数十分ぶりの外の風を感じながら、軽く息をついた。
少しの間、誰も口を開かなかったが、その静けさが逆に不安を増幅させていた。
「これで大丈夫なのか…?」
景佑がぽつりと呟いた。
「外には何もいない、今のところはな」
黎慈はそう言いながらも、油断することなく周囲を見渡す。
「ねえ本当に夢なの?」
「さっき信じるって言っただろ」
「実感がまだないって言うか…」
少女はもぞもぞと地面に座ったままの体勢を変える。
「実際に四肢は現実と同じように動かせる訳だし…」
「この世界がただの夢だと思って行動するなよ?」
「ここにいる間は、意識がある方が現実だ」
「この世界はいつ何が起こってもおかしくない世界だ」
黎慈は淡々と説明した。
「この世界でもし“死んだ“ら、文字通り現実でも死ぬ」
その子が顔を顰めた。




