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第三十六話

さらに奥まで進んだが、周りの景色は一向に変わらない。

無機質な鉄格子と丸石の壁だけがまだまだ続いている。

「なあ、これ同じところ行ったり来たりしてないか?」

 歩いていると、景佑が話し出した。

「まあ、こんなに同じ場所ばっかりだとそう思うよな」

「いや、これ見てくれよ」

 景佑は壁に書かれている名前を指さした。

『3ーA 竹中夏美』

 入り口で見た名前と同じで、番号もまるっきり同じだ。

「同じ名前、どう言うことだ?」

 黎慈は周りを見渡し、難しい表情をした。

だが、解決になりそうなものは何もない。

奥の道もまだまだ続いている。

「大抵、ゲームとかだとギミックがあってそれをこなすと解ける、ってのがテンプレなんだが…」

「…」

 二人は考え始めた。

だが、黎慈は何も思いつかない。

ループしていると仮定して、何がきっかけでなっているのかすらも検討がつかない。


 そう考えていると、景佑がおもむろに壁を触り始めた。

「何してんだ?」

「もしかしたら、壁はあるようで無いのかもしれない」

 訳のわからないことを言い始めた。

遂に頭がおかしくなったかと思ったが、壁を触っている景佑は何かに気づいたらしい。

「黎慈、ここの壁…」

 景佑に変わり、黎慈が壁を触る。

他の壁とは違い、少しだけ奥に押せるような感覚があった。

「もしかして…?」

 黎慈はその部分を力強く押した。

すると、後ろにあった鉄格子の部屋が開いた。

それと同時に、それまで無限のように続いていた奥の道が、消えるようにして壁になった。

 二人は息をのみ、その鉄格子の部屋の中に入って行った。


とは言っても、特に何の変哲もない刑務所のような空間だった。

だが、この部屋に何かがあるのは間違いない。

 二人は隅々まで探すことにした。


黎慈が今にも壊れそうなベッドの上に登り、上の方を見ていた。

 ベッドの上には木製の棚しか無かった。

ベッドから降りようとした時、体勢を崩してそのまま背中から地面に落ちてしまった。

「いてて…」

「何してんだよ…」

 ベッドは大破していた。


ただ、ベッドの下に何かがあった。

 毛布や鉄筋を退けると、開きそうなドアを見つけた。

黎慈はドアを開けた。

 下には梯子が続いていた。

明かりもなく、完全な暗闇が続いていた。

「…行くか」

 黎慈を先頭に、梯子を下って行った。

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