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第三十三話

次の日、黎慈と景佑は和寿の監視をすることにした。

放課後、職員室を見に行ってみることにした。

 幸い、和寿の席は扉の窓から見える位置にいた。

そこから勘付かれないように位置を変えつつ観察していた。


数十分観察をしていたが、特に何も動きがなかった。

 二人は顔を見合わせ、職員室から去ろうとした瞬間、突然動きを見せた。

和寿が席から立ち上がり、そそくさと職員室から出ていった。


二人は和寿の後を追うことにした。

廊下をしばらく歩いていると、和寿が階段を上がって行った。

 そのまま二階の空き教室へと入って行った。

外から様子を見ていると、何やら中にはもう一人誰かがいるようだった。

二人は廊下から壁に向けて聞き耳を立てた。

「……から、前も話しましたよね?やりませんって」

 どうやら女子生徒らしき声が聞こえてくる。

「大体、陰湿なんですよ。生徒を使って呼び出すなんて」

 何やらトラブルが起きそうな雰囲気だ。

とてつもなく憤慨してるのが声から分かるほどに。


「じゃあ良いんだな?」

 和寿が反抗している女子生徒に、何かしらの了承を得ようとしているようだ。

「…ッチ」

 微かに舌打ちが聞こえた。

「証拠も上がってんだよ。認めたらどうよ、やりましたって」

「だから、あたしじゃねえっていってんだろ!! お前どんだけ頭お花畑なんだよ!」

 怒号が廊下まで響いている。

足音が右から左へと移動する音が聞こえる。



その瞬間、鈍い音が聞こえてきた。

 床に倒れ込む音が聞こえた。

 まるで、暴行をしているかのようだ。

「口の利き方がなってねえな。ああ?」

「てめえ、公職の分際でそんなことしていいと思ってんのかよ」

明らかにトラブルが起きている。

 二人は扉がある方まで行き、万が一に備えていた。


和寿は『ふう』と大きなため息をした。

「まあ良いや。どうせお前は…」

「なんだよ、最後まで言えよカス!」

「黙っとけ」

 そう言うと、和寿は黎慈達がいる方と反対の教室の扉に手をかけた。

 二人は足音を殺しながらも素早く移動し、廊下に壁の側面にある柱の裏に隠れた。

和寿は職員室まで戻る階段を下って行った。

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