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第二十四話

 とりあえず、この屋敷から出ることにした。

「一旦出よう。景佑、道分かるか?」

「もちろん。少し走るぜ」

 黎慈はその少女の腕をしっかりと掴み、景佑を先頭に走り出した。

館内はなぜか気配がしないくらい閑散としていた。

 まるで何年も放置されていた廃墟のようだ。



この事態に不信感を覚えた黎慈は、走りながら最初に立ち入った部屋を見た。

 来た時には置いてあった本棚が綺麗さっぱりなかったのである。

「景佑!ちょっと止まってくれ!」

「なんだ?急いで安全なところまで行かないと、、、」

 景佑の中の様子を見て気がついたのか、顔が固まっていた。

「なんだ、これ…」

「逆に外に出るのは危険かもしれない、ここで休憩だ」

 三人は警戒しながら、部屋へと入っていった。

中はもぬけの殻で、殺風景な部屋が広がっていた。

 本棚が無くなったことで、広々としていた。

黎慈と景佑はフローリングにそのまま座り込んだ。

「はあー。疲れた」

 黎慈と景佑の声がシンクロした。

その言葉に続き、黎慈が突っ立っている少女に話しかけた。

「君も疲れたでしょ?座りな」

「は、はい、、、」

 その時初めてその少女の顔をまじまじと見た。

なんと、その少女は今日教室で話した一年生だった。

「あ、君か…」

「放課後ぶりですね、こんなところでまたお会いするとは…」

「こっちのセリフだよ…」

 二人の中に沈黙が流れた。

そんな中、景佑が耳打ちしてきた。

「この子が言ってた子なのか?」

「ああ、でもどうやってここに…」

黎慈はすぐにその少女に聞いた。

「どうやってここに来たの?記憶はある?」

「いえ、あまり…」

「うーん、どうしようか…」

 黎慈と景佑は帰る方法があるが、あくまでブラムを持っていること前提だ。

その方法も、この夢の核だと何が起こるか分からない。

 決して安全な方法はないだろう。

そんな感じで考えを巡らせていると、景佑が方法を提案してきた。

「なあ、この世界で死んでみるってのは、、、」

 黎慈は景佑をぶん殴った。

理由は言うまでもないだろう。

「血迷ったか?」

「でも、方法がないんだろ!だったら…」

 一触即発な危険な空気が場を凍らせる。

こんなところで仲間割れをしても、意味がないのなんてわかってる。

 その空気感の中、少女が手を挙げて話し始めた。

「あの、帰る方法だったら、あります。多分…」

「!なら良かった!早く教えてくれ!」

「ただ、ここではできないと思います。この外でないと…」

 やはり、この外に。

今からこの屋敷から出るのは自殺行為、何が起こるかわからない。

 どこかしらから裏口を探せればいいのだが。

「外に出るだけだったら、さっきのダイニングから庭に出れただろ?あれでいいんじゃねえか?」

「ものは試しだ。行ってみねえか?」

景佑がそう言うと、少女がコクコクと頷いていた。

「、、、行ってみるか」

 黎慈がそう言うと、全員が立ち上がった。

「休憩もできたことだし、ちゃちゃっと行っちゃいますか」

 三人はまたダイニングへ戻って行った。

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