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第一話 異世界は義妹と共に

久しぶりに小説を書いてみようと思い書いてみました。

完全に気まぐれ投稿の壁打ちになると思うので、モチベーションが持てば執筆します。

相当ブランクがあるのでかなり拙い文章ですがお目汚しください(笑)

自他共に平凡だと認める男、楠木圭くすのきけいはジリジリと暑さに焼かれながら垂れてくる汗を拭いながら木の陰から校舎裏にいる男女を見つめる。


男の方は結構ガタイがよく、確かボクシングとかで全国に行ったという噂の三年生だ。そこだけ聞くとすごい先輩だが、どうも良くない連中と連んでるらしく、何度か停学になったりしている。


女の方は俺の義理の妹である楠木真昼くすのきまひるだ。

入学してから4ヶ月くらいしかたってないが学園のアイドルとも言われるくらい可愛い。


一見金髪なので遊んでそうにも見えるが、父方の祖母が海外の人らしく、遺伝だ。顔立ちもアイドルと言われるくらい整っていて、よくスカウトなどもされていたし、告白だって数えきれないくらいされている。


今まで一度も恋人が出来たという話は聞かないので毎回出向いて断っているのは何というか律儀な性格が故に仕方ないのだろう。


流石に毎回断っているから初めの方は俺もこっそり隠れてついて行ってはいたが、毎回断るからついていく必要はもうないと思ってしばらく来てなかったが、流石に悪い噂のある先輩だ。何かあった時に真昼を守る…とは断言できないが、盾になってボコられて矛を納めてもらうくらいは出来るはずだ。


「俺の女になれ」


ドヤ顔でそういう先輩の声が聞こえる。


確かに先輩は俺なんかに比べれば顔立ちは整っているし、ガタイもいいので守って貰いたいと思う女の子はそこそこいるだろう。


……悪い噂がなければの話だが。


「ごめんなさい。それは出来ません」


間髪入れずに愛らしい声で返事をする真昼。やはり声も可愛い。

天は二物を与えずとは言うが、彼女は幾つ与えられたのだろうか。

『完璧な超人を作ってみた!』って感じで神様が作ったんじゃないかと思うくらいだ。


ちなみに俺をタイトルにするなら『村人C制作RTA』って感じだろう。どうでも良いけど。


流石に速攻断られると思ってなかった先輩は顔を真っ赤にし、声を荒げる。


「俺と付き合えるんだぞ!?その辺の女なら喜んで付き合うだろ!?」


「先輩。それは自惚れすぎだと思います。確かに先輩は見た目はいいです。でも中身がダメダメなんだと思います。噂が正しければですが……。この感じだと噂は本当であってもおかしくないですね」


冷ややかな目で先輩を見る愛しの義妹様は冷気で人を殺せるんじゃないかと言う目をしていた。

あの目で見られたら俺だったら心が折れてもう外を歩きたく無くなるくらいだ。


だが、キレてる人にそれは不味い。火に油だ。寧ろ敢えて注いでるんじゃないかと思えるくらいにドバドバと注いでいる。


「テメェ…顔がいいからって言っていいことと悪いことがあるだろ…!」


「先輩こそ、何でも自分の思い通りにいかないからと言って癇癪を起こすのはみっともないですよ?」


「っ!……このアマ…調子に乗りやがって…!」


間髪いれずに返す真昼の鋭いナイフに俺の脳内には先輩の見えないHPがぐんぐん減っているように見えた。

やめて!先輩のライフはもうゼロよ!って言いたい衝動に駆られるが、流石にそろそろ不味い気がする。


真昼のナイフに反撃する言葉のナイフを持ち合わせていなかったのか、先輩はポケットの中から鈍色に光るものを取り出す。


「テメェの顔をズタズタにしてやればテメェの思い上がりも無くなるだろうよ!」


「っ!物理ナイフはダメだろ!?」


思わず叫びながら木陰から飛び出す。


「兄さん!?」


俺が飛び出した事に驚き真昼はこちらを向くが既に先輩はナイフを振り上げていた。


この感じだと振り下ろされたナイフは真昼の綺麗な顔に当たってしまう。


それだけはいけないと思い真昼の腕を引っ張って抱きしめて先輩に背を向ける。


夏服とは言え布越しにポケットに収まるサイズのナイフで斬られても精々少し深めの切り傷が出来るくらいだろう。


そう考えながらいい匂いのする真昼を抱きしめていると背中の一点が急激に熱くなる。


「誰だテメェ邪魔しやがって…クソが!」


真昼越しに足元を見るとポタリポタリと赤い雫が垂れている。


「真昼…にいちゃん刺されたっぽい…痛いじゃ無くて熱くなるんだなこう言うのって…」


血が垂れてる事に動揺した真昼が悲鳴を上げそうになって血の気が引いた顔をしていたから頭を撫でながら冗談っぽく言う。


「にいさん!にいさん!!」


力が抜けて真昼に覆い被さるように倒れ込む。兄ちゃん重くてごめんよ…。後で謝るから……。ちょっと瞼重いから閉じさせてくれ。


「お兄ちゃん!!目をあけてよ!!」


数年ぶりに呼ばれたお兄ちゃん呼びに思わず重い瞼をあげると泣きじゃくる妹の可愛いのに汚いぐしゃぐしゃの泣き顔があった。


「泣かせ…ちゃって、ごめん…」


声に出てたかわからんが真昼に謝り、再び瞼を閉じる。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「あら?こんなところに男女二人で倒れているなんて…」


「シスター!男の人怪我してるよ!」


「女の人は顔が真っ青だよ!」


「大変ね!回復魔法かけるから終わったらみんなで二人を修道院に運んでくれるかしら?」


「いいよー!」


「ぼくもー!」


「ありがとうね。…このくらいの傷ならヒールで大丈夫そうね」


『ヒール』と聞こえると背中の熱が引いていく。


うっすらと瞼を開けると修道服を着た銀髪の女性がこちらを覗き込んでいた。周りには小さな子供たちが数人いた。


「……ここは?」


少し掠れ気味の声が出たが女性には聞こえていたようで、返事を返してくれる。


「ヒールかけたとは言えすぐ話せるなんて貴方頑丈なんですね?ここはイリスフィア教の教会の裏庭です。一般の方が裏庭に立ち入れないはずなのですが…お二人はどちらから?」


少し気怠い身体を起こし、あたりを見回すと見慣れた学園の校舎はどこにも無く、海外とかにありそうな教会が建っている。


「もしかして…異世界転移…てやつ?」


「異世界?」


銀髪のシスターがコテンと小首をかしげる。


我が妹にも劣らず可愛いシスターだ。歳は同じくらいだろうが同年代に比べ胸が大きい。


目が吸われるが流石に初対面の人、ましてや助けてくれた恩人にそんな失礼をするわけにはいかない。


「えっと、日本ってわかりますか?」


「日本…?確か初代国王様が日本という国の生まれだったはずです。何でも異世界から勇者召喚された後に世界を救って魔王との戦いで荒地になった土地に国を起こした。と言われています」


異世界召喚は過去にあったことがある世界か…。ならある程度は俺の素性を出しても頭のおかしな奴とは思われないか?


「俺も初代国王様と同じ日本ってとこの生まれなんです。妹も…そうだ!真昼!」


下敷きにしていた真昼を見るとむくれた顔をしていた……なんで?


「…やっぱりおっきいのが好きなんだ…」


「え、なんて?」


「このバカ兄さん!」


真昼の言葉が聞こえなかったので手を差し出して起こそうとしたら平手打ちされた。


どうして…。


こうしてなんだかんだで俺たちの異世界転移生活が始まった…?




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