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第8話 中学

 中学生も同じ公立。

 クラスは3年間とも違った。 

 クラブ活動は全生徒必須でタケゾーはノリでバスケ、輝は消去法で陸上部を選択した。ちなみに輝の消去の仕方は、本来なら帰宅部希望なんですが。ダメ?ダメなのか?なら、できれば文化系部活。…に入りたかったが吹奏楽だけだったので却下。囲碁将棋部とかオセロ部とかがよかった。ないよ。仕方なく目を向けた運動部では、団体戦は却下。個人種目のある部活で、あまりサボってるのが目立たないように人数が多そうな陸上部を選択。希望は陸上部の中でも人数の多い短距離。記録が出せなくて大会に進めない残念部員になることを目指したが、指導の教員から1500を走るように言われて、結果、結構真面目に取り組むことになる。

 学校で部活終了時間は決められていたので、約束はしていなくてもタケゾーと部活で走ってヘロヘロの輝は、玄関で一緒になって、並んで帰ることが多かった。


 その帰り道。

 「テルゾー、」と、タケゾーが呼びかける。その呼び方はやめろ。幼馴染なんだから、オマエくらいテルのままでいいじゃん。

 「風邪じゃないんだろ?今日もマスク姿で元気溌剌だな。」と、早速タケゾーは、輝が常に付けているマスクいじりから始まる。

 「オレ、実は気になってることがあるんだけどさ。」

 「女の子のことなら、オレに話しても無駄だよ。」

 「そんなことはわかってるよ。」すかさず言う。失礼なヤツだ。

 「それに、オレは、卯乃ちゃん以外の女子には目を向けないからね。安心してよ、にーちゃん。」

 「にーちゃん、言うな。」

 「仕方ないじゃないか。将来そうなるんだから。」

 「なんで決めつけるかな。」と、このくだりになると、いつも輝はタケゾーのしつこさに呆れる。

 「オマエ、幼稚園の時、オレのおばあちゃん亡くなるの、当てたよな。」

 タケゾーの問いに、輝は3秒答えるまでに時間をかけた。

 「覚えてない。」

 「いや、覚えてるね。。」と、タケゾーは輝の答えを真っ向から否定する。「それから、徐々にかもしれないけど、オマエは変わった。なんか、こう、どんよりっていうか。」

 「なんだこら、タケゾー、悪口か?」

 「そんなつもりはないよ。言い方が上手く見つからないんだよ。その、口数が少なくなったし、なんかする前に考えるようになった。ちょっと、陰気になった、かんじ?」

 「〈、、かんじ?〉じゃないだろ。女子か。言い方。

 結局悪口じゃん。」

 「悪口じゃないって。オレは幼稚園の出来事が忘れられなくてさ。

 あの時オマエは、オレに余計なことを言った、って謝ったんだぜ。オマエにはなんかが見えてオレに見えてな岩かないって思った、そうそう、そんな感じのこと。

 ねえ、それ、今わかる。」

 「ソレ、って、なんだよ。」

 「だからさ、この人は亡くなりそうだ、とか。」

 「残念でござーやした。

 わからないですよ。」

 「なんで?だってあの頃は見えたじゃない?」

 「とにかく今は見えない。」

 


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