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衝撃の事実(承)!

おはようございます。

「見て下さい」

そう言うと突然シュリーちゃんは上着を脱ぎ始めてた。胸を押さえている。


「きぁーーーー! いゃーーー!!」

私達はうろたえる。


「ルナマリア様 フローラ様 ラーナ様 こうしないとお見せ出来ないのです」

「・・・」

「恥ずかしがらずによく見て下さい」


シュリーちゃんに 2度も言われて、、私達は止むを得ず指の間からシュリーちゃんの裸を見る。。

シュリーちゃんの体には 前は胸のあたりまで 背中も同じ高さぐらいまで 黒い竜が2頭昇っている。

『刺青? うん?』


「実は、、私の両親に 呪神エバーンスゾン様の呪詛がかけられたらしいのです。エバーンスゾン様の怒りを買ってしまった様です。エバーンスゾン様は タビーン火山のマグマからエネルギーを得ていますから 滅多な事では タビーン火山から出て来ないのだそうですが 呪詛を飛ばす事は可能みたいです。だって現実的に 私の両親に呪詛をかけたのだから。だから 私の状態は 呪いで間違いないのです」

シュリーちゃんは 言葉を選びながら ゆっくりと話していく。


「エバーンスゾン様は 母親に言ったのです『生まれて来る貴様の娘は 歳を重ねるにつれて その身体を我が呪いが蝕み 徐々に朽ち果てていくだろう』ってね」

「呪いの事を知った両親は 直ぐに教会に相談に行った様です。祈祷料をお支払いして浄化をして頂いたそうです。ですが、、エバーンスゾン様の御怒りが強く しばらくは呪いの進行が遅らせれるのですが 時間が経つと進むのです。また 祈祷に行ったのですが その度に 祈祷料は上がり続けて。でも お父さんが亡くなってしまってからは 祈祷料をお支払いする事が出来なったのです」

『え? 教会の祈祷料って そんなに高いの?』


「だけど 人族が神竜と戦う事なんて畏れ多いです。神様は絶対なのです。それに竜族を討伐した事なんて 人族史上 1度も無いのです。神竜で無いただの竜でさえ ただの1度も無いのです。いつも竜族が疲れて去っていくのを待つしか方法が無いのです。防御に徹して被害を極力抑えるぐらいしか 人族には出来ないのです。ただの竜でさえそうなのに。。呪神エバーンスゾン様は 神の1柱。普通の竜では無いのです。母親も私も もう諦めています。私の身体にも 呪神の呪いが出来ています。その影響ですかね、、カーボランにも苦しい思いをさせてしまって。。黒い霧だって その影響かな、、」

シュリーちゃんが 悲しそうに言う。


『呪神エバーンスゾン様の呪詛って、、平民であるシュリーちゃんがなぜ?』

「シュリーちゃんは平民だよね。呪神エバーンスゾン様の呪詛って。理由は知っている?」


「いいえ。知らないのです。私の父親は 私が生まれてしばらくして亡くなってしまったらしいので、、母親から聞いた話ですから そこまで詳しい事はわからないのです。でも周りにも 呪詛を受けた方がおられる。と聞いた事があります」


「シュリーちゃん。辛いだろうに話してくれてありがとうね。でも 今のシュリーちゃんの話だと シュリーちゃんの身体にもかなり影響がある様に思うのだけど。。」


「うーん。そうですね。多分 私の命はそう長くは無いと思っています。私が生まれた時 両足の裏だけに黒斑があったらしいのですが 最初は何か? よくわからなかったらしいです。でも 歳を重ねるにつれて 徐々に上に昇って来て、、黒い2頭の竜がとぐろを巻きながら! 今は丁度 皆様がご覧になりました様に 前胸の下に1頭 背中に1頭 2頭の竜が私の身体を昇って来ているのです。段々と死が進行していく様を 私と母親に見せつけて。。でも何も出来無い事をわからせて 絶望と恐怖を ゆっくり刻み込んでいるのでしょう。私の頭にまで 2頭の竜が昇って来たら 私は おそらく死んでしまうと覚悟しております」


シュリーちゃんは 最後まで言い切ると我慢出来ずに泣き出した。

 

『なるほど それで呪いが進んでしまったのね。胸の竜は 呪いの証、、』

私も フローラも ラーナもシュリーちゃんを思わず抱きしめる。


シュリーちゃんは続ける。

「それと同調するかの様に 愛メーターに神愛を得た直後 神愛を奪われたのか? 呪いの影響だと思います。3個が白に戻ってしまって、、」

『なるほど それで 3個は白いのか』

「おそらく、この 2個の愛メーターが 白くなった時 私は死ぬのだろう。そう思っております」

シュリーちゃんは泣き続けて 嗚咽混じりに話してくれた。


「死ぬのが怖くないかと言えば 嘘になります。とても怖いです。でも 正直手立てがないのも明らかなのです。もう諦めています、、」

どうしようもない悲壮感が漂う。


私はなんとなくだったが シュリーちゃんから出ている黒い霧を手で触ってみる。手のひらに 黒いブツブツした物が見える。踊っている。

『この感覚。わかる。なんとなくだけど コントロール可能な感じがする』

『お前なら出来るさ』


「シュリーちゃん 試してみたい事があるの。良い?」

「何をするつもりなのでしょうか?」

「呪いを吸い取ってみたいと思ったの!」


私はそう言うと シュリーちゃんの許可を待たずに 黒い霧に念じてみる。

『私の手に 集まっておいで』

すると シュリーちゃんの黒い霧が凄い勢いで 私の手の中に集まって来る。しかし それは際限が無い! どんどんどんどん 殿下の身体から出て来て 私の手に集まって来る。

直径3m程の黒い球体になったところだった。


「う!! ちょっと ちょっと待って下さい、、く、苦しくて」

シュリーちゃんが かなり苦しそうである。


『ストッープ』と念じる。私も 今迄に無いくらい 力を使った感覚がある。疲労感がとてもある。


『やはり コントロールは可能だ。だけど それと同時に力の消耗が顕著だ。私にしては 珍しく少し疲労感がある。呪いのコントロールは思っていたよりも難しい。それと 急激な呪いの吸収は シュリーちゃんの身体に負担をかけるのね』


『それと この黒い球体、、呪いの集合体 かなり危険だわ 私がなんとか浄化しないと』


私は 目を閉じて 黒い球体に 思念を染み込ませていく。優しく撫でる様に思念を浸透させる。

『いい子 いい子』


すると 黒い球体は ゆっくりと空に霧散していった。

「ふう」

私としては 正直想像以上に 疲れた。


「す、凄い! こんなの事は初めて見ましたわ」

「今のは何? 何?」

「ルナマリア スゲーー」

全員が 驚愕の表情で言う。


「そうだね。自分でも出来るかどうかわからなかったけど。出来て本当に良かった!」

『ふうー』

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