中庭の掃討戦
苦戦するメリウェザーとジョルジェの前に、思わぬ味方が現れる。
開け放たれた巨大な門扉を、ふたつの影が疾風のごとく通り抜けた。
「出遅れた! ゼイーダのやつ、どうして待てなかったんだ」
「まだ、エルウィンたちにはアマルヘレネを渡していないわ」
門前広場の激闘の跡を振り返り、メリウェザーは指輪を抱きしめる。転生の石、アマルヘレネ。一度だけ致命傷を肩代わりしてくれる護りの石。
(どうか無事でいて)
仲間への思いが焦りを生む。メリウェザーはわずかに、ジョルジェよりも気づくのが遅れた。メリウェザーは勢いのまま中庭に大きく踏み込み、疾走してきた黒い影と衝突した。突き出されたのは、鎧をまとった脚の一撃。それを反射的に脚で受け、メリウェザーは不意打ちにたたらを踏んだ。
「クカカカッ。へえ、やるな」
愉快そうに笑うのは、リメンタドルムで見た顔だった。
「ガヴォ一派の……」
「精兵連のディエロ・ソルティクだ、メリウェザー・フリント!」
メリウェザーはその怪力をもってしても、ディエロに圧し返された。
「足技は拳の倍の破壊力、それを極めたものが武脚。俺の脚を存分に闘わせてくれよ、カマ野郎!」
「まあ、失礼な人ね!」
「まずはお手並み拝見といこうか。円舞脚!」
ディエロの放つ一撃は美しい放物線を描く。遠心力の乗った渾身の「円舞脚」を、メリウェザーは相対する軌道の脚で相殺した。反動で両者は大きく後方へ吹き飛ぶ。ジョルジェはメリウェザーが引きずってきた砂埃を手で払った。
「よ、メリウェザー」
「ジョルジェ……ただいま」
「おかえり。一騎打ちは任せていいか?」
ジョルジェの示す方、ディエロの後方から、鎧の群れが押し寄せてくる。
「雑兵は任せな」
メリウェザーとジョルジェは頷きあい、同時に飛び出した。
ディエロはジョルジェを警戒し、わずかに目線をやった。その隙に、ディエロのわき腹をメリウェザーの脚がとらえる。メリウェザーの力をいなしきれず、ディエロは吹き飛び、城壁に激突した。もうもうと立ちこめる砂煙の向こうから、ディエロは錐もみのように回転して反撃をしかける。
「輪舞脚!」
小さな円をいくつも描き、回転する斬撃を飛ばす「輪舞脚」。鋭利な空気がメリウェザーの四肢や頬を切り裂いた。輪舞脚は中長距離からの攻撃。ディエロの間合いに入れないメリウェザーは、輪舞脚に手がかりを得て、肉弾戦以外での反撃に出た。
「破ッ!」
兄には劣るものの、メリウェザーは気功を放った。拳程度の気の塊だが、湾曲した軌道で迫り、ディエロの横面を殴り飛ばした。ディエロはよろめき、口の端から血を垂らして笑った。
「クカカ、おもしろい。手応えがあるとつい遊びたくなるぜ」
だが、と言ったディエロの姿が、メリウェザーの視界から消える。
(どこに)
周囲の気を探ったが、乱戦では紛れてしまってわからない。そうこうするうちに、掃討部隊の歩兵たちがメリウェザーを取り囲んでいた。兵士を任せろ、と言ったジョルジェは遊んでいるわけではない。すでに三十人ばかりの兵士と混戦に陥っていた。
(敵の数が多すぎる)
歩兵に対応するため、振り返ろうと体をひねったメリウェザーの背中に激痛が走った。
「うッ!」
思わず地に膝をつく。今度は胸を蹴り上げられ、メリウェザーは後方に吹き飛んだ。
――攻撃されている。気配がまったくない、でもこれはディエロの武脚。
ディエロは暗技をもって、早々にメリウェザーを片づけようとしていた。
(こんなところで足手まといになれない)
メリウェザーは身をひねって着地し、壁を背にして目を閉じた。
(空気が揺れるところ。真っ直ぐに向かってくる……ここだ!)
迎え撃とうと目を開けたメリウェザーの前に、ディエロはその姿を現していた。その構えは、力業の「円舞脚」のものだった。
「しま……っ」
迎撃するには踏み込みが間に合わない。とっさに防御にまわったメリウェザーの両腕をかわし、ディエロの脚が空をきってわき腹をとらえた。
「おらァ!」
重い一撃をまともにくらい、メリウェザーは地面を跳ね、植え込みの陰でぐったりと動かなくなった。
(精兵連……実力が、違いすぎる)
闘気を失ったメリウェザーは、中庭にあふれた掃討部隊に紛れ、ディエロの視界から消えた。
「ち……ヒヨッコだったか」
ディエロは兵士に取り囲まれているジョルジェを振り返ったが、こちらにはあまり食指が動かない。
「弓兵、構え!」
ディエロの号令により、ジョルジェを囲んでいた歩兵が一斉に退がった。南北の城壁の上に弓兵が姿を現し、ジョルジェ目がけて矢を放つ。身の丈を超す棍で飛矢は防げない。ジョルジェは棍の節を外し、鎖で繋がれた先端を振り回して身を守った。だが、挟撃の斉射からは逃げ切れなかった。容赦なく矢を浴びながら、ジョルジェは不適に笑む。
(先に行ったゼイーダたちが、こいつらと鉢合わせしなかったのは、吉と出るか凶と出るか)
ジョルジェは後方に跳び退り、棍を振るって頭上に投げた。棍が北壁の峡間に巻きつくと、ジョルジェの腕に巻かれた鎖が引き上げられていく。
「射殺せ!」
ディエロの号令に従い、南壁の弓兵は対岸に向かって一斉に矢を射かけた。ジョルジェは間一髪で城壁を登りきり、十人ほどの弓兵が構えた矢避けの板を軽業のごとく渡って、内城門の向こうへと消えた。
「チ、撃ち方やめ!」
ディエロは舌打ちした。もはや矢は届かない。歩兵を率いて安全地帯から出て、ディエロは次の指示を出した。
「まあいい、奴は手負いだ。脅威にはならん……お前ら、植え込みで寝ている金髪の男を捜せ。鉄線で縛って地下牢に……」
言いさしたディエロの表情が曇る。中庭に、武装した騎士たちが向かってくる。率いているのはアイーシャの副官、エメット・ランキスタだった。
「あいつ、持ち場はどうした」
彼らアイーシャの騎士団は、先に侵入した魔導師たちを追ったはずだ。それがなぜ、中庭に引き返してきたのだろうか。
ディエロは嫌な予感がして声をかけた。
「おい――……」
その刹那、エメットはディエロの懐に踏み込み、剣を薙いだ。まったく躊躇のない斬撃を、ディエロは紙一重でかわす。後方に跳び退り、体勢を立て直してディエロは怒鳴った。
「どういう了見だ!」
エメットは配下に命じ、掃討部隊の手からメリウェザーを救い、円陣を組んで彼の身を守った。
「この者達を手助けせよと命じられたのは、お前も同じではなかったのか、ディエロ・ソルティク」
「アイーシャのやつ、俺が好き勝手すると踏んでいやがったな」
「務めを果たせ、ディエロ・ソルティク。アイーシャ様も、アイーシャ様の敬愛するお方も、争いを望んでおられない」
「は、そんなもん……」
ディエロは不適に笑み、剣を構えるエメットに対し、武脚の構えをとった。
「ディエロ・ソルティク。そなたは、そなたの主に従わないのか」
「お前こそ勘違いしてるぜ、忠誠? ご苦労なこった。俺は誰の下にもならねえ! 精兵連に入ったのは、闘争が向こうから来てくれるからさ!」
「ふん、獣め……」
エメットは幅広の剣を構え、ディエロとの一騎打ちに応じた。様子見の輪舞脚は刀身と鎧で防ぎ、渾身の円舞脚を受けても体幹が揺らがない。
「そなたはメリウェザー・フリントとの戦闘で負傷している。勝ち目はないぞ」
「うるせえ、女みてえなおきれいな顔に足形つけてやるぜ! クカカカッ」
瞬間、ディエロの気配は断たれた。
――夜奏脚。完全に気配を断ち、力を犠牲にして速度を極限まで上げ、敵に反撃も認識も許さない一撃を放つ暗技。
しかし、エメットの背後をとらえたディエロは、逆に背後をとられていた。
「な……」
「加えて、ジョルジェ・カレラの放った痺れ矢により技の精度も落ちている……闘いにこだわって、熱くなりすぎたな」
「ばかな!(痺れ矢だと、いつ……)」
素早く着地したディエロは、重心の乗った円舞脚を放った。騎士はその軌道に合わせてかわし、右足が地面にめり込むほど踏み込んで、渾身の一撃をディエロに刻んだ。
「ぐ……ぅっ」
鋼の鎧を切り裂かれ、古傷と全く同じところに深い斬撃を食らったディエロは、目の前で火花が散るのを感じた。ディエロは静かに崩れ、膝をつき、尻もちをついた。
エメットはディエロの闘気が失せたと見て、剣を納め、その場を去ろうとした。
「待て」
血をあやしながら、ディエロはエメットの背中を睨んだ。
「お前……その太刀筋、まさか。十五年前、俺を斬った……」
「人違いだ。私は十五年前、お前と同じ十の歳。白き司の訓練兵だった」
「げほっ」
まだ食い下がりたげなディエロは、咳をするのがやっとだった。呼吸さえ傷口に響く。
「私の師は、元竜伐隊士フェルゼン・シュッツ。師は、奇しくも古傷がもとで前線を退き、後進を育てていたために内乱には巻きこまれなかったと聞く」
「は、そいつ……!」
ディエロの目がぎらぎらと光った。
(間違いねえ。ずっと探してた野郎だ。闘うことだけを仕込まれ、闘うことで生きてきた俺が、10の時に闘いを挑み、初めて負けた相手)
血の流れ出す古傷をおさえながら、ディエロは立ち上がろうともがいた。エメットは手近な槍の穂先を折り、ディエロに放り投げた。
「師フェルゼンは剣技とともに武脚の達人でもあった。もし手合わせを望みたいのなら、おとなしく退いて長らえることだ」
罵倒するディエロの捨て台詞を背中に聞き流し、エメットは気絶したメリウェザーの容態を確認した。
「うまく受け身をとっている。傷自体は浅い」
それから城壁の上を振り仰いだ。両の城壁は騎士団が制圧し、内城門の陰には救助されるジョルジェの姿があった。
中庭では、掃討部隊の残党が右往左往している。
「彼らの大多数は上からの命に従っているだけだ。放っておいても脅威にはならない……この方達をお運びしよう」
「はっ」
エメットは騎士団を率い、メリウェザーとジョルジェを背負って城内に入ろうとした。しかし、目前で内城門の門扉はかたく閉ざされ、その前に立ちはだかる者があった。
「お前たちは」
地下牢を見張っていたはずの大男ヴィッソと、その相棒、獣使いのアルメニアが仁王立ちしている。
「どういう状況かわからないんだけど? どうしてそいつらを助けるの」
アルメニアが鞭を一打ちすると、ヴィッソが、のそりと前進した。岩のような体から俊敏に拳がくり出される。派手な金属音とともに、重装備の騎士が数人、殴り飛ばされた。
「副官どの」
うろたえて指示をあおぐ騎士団に、エメットは幅広の剣を掲げて号令をかけた。
「何としてもお二方を城内へ! 行け!」
「行かせるか! ヴィッソ!」
アルメニアの鞭を合図に、ヴィッソの拳とエメットが切り結ぶ。鈍い音をたて、ヴィッソの巨岩のような拳は受けとめられた。
「走れ! 長くは持たん!」
騎士団は一斉に走り出し、門を開けるため左右の塔に散った。
「何てやつなの、ヴィッソを止めるなんて……あんな細腕で!」
「グ、ウウ」
「…………」
ヴィッソの二撃目も受けとめ、エメットは巨漢の両手を封じた。上官が奮闘するあいだに、騎士たちは門を開け、わずかな隙間にメリウェザーたちを背負った二人がすべりこむ。
「あっ」
彼らが驚いて足を止めたのは、門の向こうで待ち構えている者がいたからだ。
「ヴィッソの相手は任せろ。諸君らは副官殿とともに、先に行ったゼイーダたちとの合流を急げ」
「は、畏まりました」
騎士団と入れ違いに中庭に飛び出して行ったのは、一角獣がひとり。駆け出すとともにその体は数倍にも膨れ上がり、艶やかな黒い被毛に覆われる。
「エメット、そいつの相手は引き受けた!」
旧知の声に、エメットは不適に笑んで剣を引いた。さらに圧しこもうとしたヴィッソの拳を、真っ黒な獣が阻んだ。
「助かった、クレオ」
「行ってくれ。騎士団を率いて彼らを助けてくれ」
エメットは頷き、アルメニアの鞭を軽くかわして扉の向こうへと走り去った。
「くっ クレオ・シアン! アンタも邪魔をするんだね!」
アルメニアはラフト族特有の縞模様を逆立たせ、牙をむいた。
「やっちまいなヴィッソ、ヴィエラ族だってアンタの力の前には仔猫同然!」
「オ、オウ」
ヴィッソはがっちりクレオと組み合い、クレオをその場に縛りつけた。そうしてがら空きになった腹めがけ、アルメニアの膝蹴りが入る。
「ぐッ」
女性とはいえ、アルメニアは筋骨隆々で知られるラフト族の戦士だ。その一撃は重い。
「そのまま圧し潰せ、ヴィッソ!」
アルメニアの容赦ない殴打に、ヴィッソは呼応して力を増していく。いや、ヴィッソの怪力を受けとめながらサンドバッグにされている、クレオの身が持たないのだ。
(いささか、分が悪かったか……)
クレオの膝が折れようとしたその時、ヴィッソは突然うめき声をあげ、大きく上体を仰け反らせた。持ち上げられたクレオはつかみ合っていた手を解き、ヴィッソの顎を蹴り上げて後方へ飛び退いた。
「グオオ……」
ずうん、と地面が揺れる。ヴィッソは尻もちをつき、首のあたりをしきりに気にした。
「どうしたんだい!?」
アルメニアは怒気をはらんだ声で叫び、ヴィッソの肩に飛び乗った。
「針?」
ヴィッソの首に突き刺さった長い針を引き抜き、アルメニアは先端の血を舐め、吐き捨てた。
「毒は使ってない。ヴィッソ、立ちな!」
「ウ、オ」
のそのそと立ち上がったヴィッソの足下に、再び針が突き刺さる。針の飛んでくる方向を、クレオとアルメニアは同時ににらんだ。
城壁の上に誰かいる。少年のように見えるその人物は、手をひらひら振った。
「鬼さん、こーちらっと!」
「お前、こないだメヴィーが追い払った暗殺者だな!」
アルメニアが反応した刹那、ヴィッソはがくんと膝をついた。
「どうしたっていうの、ヴィッソ!?」
「ア、アアウ」
「ふふん、このダーロック様の針は毒なんて塗ってないけどな……ヒトも獣もシルウァトも、体のツボってのはたいがい同じなんだよ」
まさか、とクレオは冷や汗をかく。
(飛び道具でツボを的確に突いて、ヴィッソの動きを封じたというのか)
今攻撃されたのはヴィッソだが、あの暗殺者ダーロックとやらが敵か味方かわからない。クレオはひとまず様子を見るため、中庭後方の外城門まで走った。
(取り残された兵士を門前広場へ逃がし、扉を閉じなければ)
「あいつ、逃げる気か」
「ウ、アア」
飛び出して行ったアルメニアを、ヴィッソは制そうとした。だがラフト族の瞬発力にはかなわない。アルメニアはそのまま、外城門扉を封鎖して戻ってきたクレオにぶつかり、中庭での格闘が始まった。
「アア、ア」
「ふふん、あのコが心配かい? 残念だが、あんたの相手はおいらだぜ」
ダーロックが放った針を、ヴィッソは岩のような腕で受けとめた。数本は刺さり、数本は弾かれて地面に落ちる。その針の動きが止まるまでのわずかな間に、ダーロックはヴィッソの肩に飛び乗っていた。
「グオオ」
「暴れんなっ!」
ダーロックは諸手の針をクルクルと回し、しっかり握りこんでヴィッソの首に突き立てた。
「ガアーッ」
暴れるヴィッソに振り払われ、ダーロックは投げ出される。受け身はとったものの、城壁に叩きつけられ、ダーロックはばたりと地面に伏した。
そしてヴィッソもまた、両膝を突き、前のめりに倒れ伏した。地響きを聞きつけたアルメニアは、たまらずヴィッソを振り返った。
「ヴィッソ!」
一瞬の隙をついて、クレオはアルメニアの細い首に手刀を見舞った。それだけで落ちきらない彼女の意識を、みぞおちへの追撃で完全に飛ばす。
クレオはアルメニアを城外へ担ぎ出すと、動けなくなったヴィッソも同じように担ぎ上げ、城壁を越えて城の外まで運んだ。
「ヴィッソ、お前は聞こえているな」
クレオの声に、ヴィッソは指先を動かして反応を示した。
「動けるようになったら、アルメニアとともに去れ。サルベジアにはラフト族の隠れ里があると伝え聞く。お前達の生きていける場所があるはずだ」
クレオはヴィッソの首から針を抜き、疾風のように城壁の内へ戻っていった。
ヴィッソは目の前で気絶しているアルメニアを見つめ、動かない体でもがき続けた。
一方、城内に踏み込んだ騎士団は、戦闘音がする大広間を背に回廊を走っていた。途中、メリウェザーがうめき声とともに目を覚ました。
「気がつかれましたか」
「ここは……あなたは?」
「我々はアリアテ様とあなたがたをお守りするよう言いつかっております。一角獣ではありませんが……私はエメット・ランキスタ。これは私の騎士団です」
「待って、ジョルジェは」
メリウェザーが首を巡らせると、別の騎士に背負われたジョルジェの姿があった。どうやら意識はあるようだが、呼吸が荒く、目も虚ろにわき腹をおさえている。赤く染まった軽鎧の上から、別の騎士が療術を施していた。
「白魔導師が残っていれば、もっと良い手当ができたのですが」
「いいえ、助けてくれてありがとう……ところで、エルウィンの、仲間の気を感じるのだけど。離れていっているわ。きっと、反対の方向に」
「おそらく大広間でしょう。しかし、手前の回廊に【サリヤの火】とおぼしき魔法が放たれており、近寄れず……我々は今、地下牢に捕えられた者たちを解放すべくそちらへ向かっております。戦いの後は、彼ら文官の力が必要ですから」
メリウェザーは頷き、騎士の背から下りた。
「大丈夫、自分で走るわ……ジョルジェ、頑張って」
「はは、血と一緒に男の気概も流れちまいそうだ」
消え入りそうな声で軽口をたたいたジョルジェに、メリウェザーは苦笑した。