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問題発覚

「エマおめでとう!」


「ありがとう。エリカもおめでとう」


全試合が終わり、ホテルでは明日の団体戦を前にごく少数で個人戦のお疲れ様パーティーを開催していた。参加しているのは本戦の受賞者だけなので本当に内輪なのだが、今はむしろそれが楽しかった。


「エマ、僕のウィザードシューティング見てくれた?」


「うん。すごく格好良かった」


セドリックは未だ舞い上がっており、なんだか意外と子供らしくてかわいいなと思ってしまった。本人は嫌がるので口には出さないけど。


「あ、ベン君。フィジカルダービー準優勝おめでとう」


「ベンでいいよ。ありがとう」


体力お化けのヨハンには勝てなかったが、それでもすごい。3位だったイザナはとても悔しがっていた。

彼なら明日の団体戦も問題ないだろう。


「そう言えばレオン皇子からの手紙読んだの?」


絢斗の言葉で思い出す。そう言えば招待状?貰ったんだった。すっかり忘れていてまだ目を通していなかった。


「魔法競技大会が終わる前に読めって言ってたよな?」


アルバートが思い出したようにそう言った。

改めてその理由を考えてみるが特に思い当たることは無い。日程が魔法競技大会の次の日だとかそう言う事なのだろうか。


パーティーが終わり自室に戻ると、私は机の上に置きっぱなしにしていた招待状を開ける。

いったい何が書いてあると言うのだろうか。

どうか悪いことでありませんように。


「え……なにこれ」


封筒を開けると、その中に招待状なんてものは一切入っていなかった。

代わりに入っていたのはパソコンに繋ぐ用のメモリーと短いメッセージが書かれたカード。

間違いなくレオンの美しい文字で綴られている。

私はパソコンに魔力を流し起動させるとそのメモリーを挿し込んだ。


「……」


私はエドガーを含めた何人かに急いで連絡し、会議室に集まるよう指示した。

連絡が終わると私はそのまま綺麗にメイキングされたベットに飛び込む。


「はぁ、今日は寝たいんだけどなぁ……」


この後起こるかも知れない最悪を想定して気が重くなる。

疲れと嫌気で言う事を聞かない体を何とか起こして立ち上がると、そのまま鍵を持って部屋を出た。


「どうか夢でありますように」


ありもしない事を考えながら指定した会議室に向けて誰にも見つからぬよう静かに脚を速めた。

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