いよいよ本番
最終調整などを続け、ついに魔法競技大会4日目がやってきた。
今日からはいよいよ本戦が始まる。
新人戦の方は、特に問題もなくこの調子なら総合優勝を狙えるとのことだった。エドガーは今年の新人戦の団体で負けることは無いと踏んでいるのか、昨日の段階で既に新人戦の優勝を確信しているようだった。
「お疲れ様。流石ね」
「ありがとうございます」
男子パデルテニスの予選会場に着くと、既に到着していたソフィアからねぎらいの言葉を受ける。
「エリカもフィジカルダービー終わったらすぐ来るって」
「そうですか」
私は先ほどのパワーサープレッションで予選通過。
特に練習をしたわけでも無いので不安と言えば不安だったが、そこは魔法力がものを言う競技でよかったと思う。エリカもフィジカルダービーの予選はほぼ間違いなく通過だろう。
「頑張ってよ……」
パデルテニス予選2試合目。これに勝てば予選はひとまず通過。1試合目は見れていないが、特に問題なく勝ったと言う。
『これより本戦男子パデルテニス、予選2試合目Aブロックを行います』
そのアナウンスと共に絢斗と対戦相手のカーライルアカデミーの生徒が入場する。
「結構歓声上がってるわね」
「まぁ顔はいいですしね」
ウィンチェスター以外の学校からも歓声が上がっているところを見ると、イケメンはずるいなぁと思う。私なんか歓声どころが睨まれてたのに。
試合が始まると、特に危惧していた問題は起きず、ほぼほぼ圧勝だった。
と言ってもほとんど魔法というよりテニスのテクニック勝ちみたいな感じだったけど。相手は仕掛ける前にまず絢斗の魔法が読めず苦戦していたようだった。そりゃラーハの魔法なんて見たことが無いだろうな。
「え、もう終わっちゃったの!?」
エリカがやってきた頃には既に試合は終わっており、彼女はがっくりと肩を落とした。
決勝戦は絶対見る!と意気込んでいるが、これもまたタイミングが合わなければ難しいだろう。
「じゃあ私そろそろ行くわね」
ソフィアはファーストポイントの準備に向かった。
「私たちもゆっくり向かう?」
「そうね!」
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「素晴らしい!」
「どうしたんです?」
「今年の本戦は全員が予選突破!まぁ心配はしていませんでしたけど」
2日間の予選が終わり、いよいよ明日は決勝戦だ。そしてそれが終われば団体戦。
私たちとしては6日目にしてやっと本番と言った感じでもある。
「いよいよだな。セドリックには負けないぜ」
「うん。お互い頑張ろう」
生徒会の得点見込み集計でこんなに穏やかなことがあっただろうか。
去年は新人戦が問題でエドガーは頭を抱えていたが、「青春ですね」と今はとても優雅にハーブティーを嗜んでいる。
「3人とも、明日はよろしくお願いしますよ?」
「「はい!」」




