作戦会議
トレジャーハント
男女混合3人のチームで、他のチームが隠した宝を探す。自分のチームも宝を隠し、他のチームに見つけられてしまうと失格となる。最後まで残ったチームの勝利。
「シンプルなゲームですね」
「それが故に難しいんですよ」
魔法競技大会団体戦2種目目。
知力を争うトレジャーハントの代表メンバーに私は選ばれた。本戦のメンバーは私とエドガーとルーカスが選ばれた。
「どうして私なんです?」
どちらかというとバトルロワイヤルに選ばれると思っていたけれど。
エドガー曰く最近の傾向や今年のフラッグサバイバル廃止を見るに、今年はトレジャーハントの難易度が飛躍的に上がると考えられるそうで、今回は古代魔法に詳しいルーカスや頭のいいエドガーが選ばれた。私が選ばれた理由は単純に女子が居ないといけないからと言われたが、彼がそれだけで選ぶとは考えにくい。私が神殿で古代魔法を勉強していたことを知っていたのかは謎だけど。
「エイド先輩がいないのは痛いですね」
現代魔法のスペシャリストともいわれる彼が居れば百人力だろう。去年まではフラッグサバイバルに力を入れていたが、今年のトレジャーハントを考えると彼がいないのは非常に惜しい。
「前置きはさておき早くやろーぜ。眠いんだけど」
植物園で寝ていたところをエドガーに引っ張られてきたルーカスは不機嫌そうに言った。
「それもそうですね。では詳しい説明をします」
昨年も出場していたエドガーが会議室のモニターを付けた。
おそらく去年の映像だろう。他の学校が展開した認識阻害魔法や条件付き呪文が見受けられる。
「このように各チームは指定された宝をフィールド内に隠します。隠すのに使える時間は30分で、全チーム隠し終わると、次は探す時間となります。探す時間は1時間で、見つけられたチーム順に失格となり、探す権利も失います。つまり、見つからない場所に隠し他のチームの宝を自分たちが見つけられる前に急いで見つけると言う事ですね」
「でもそれならすぐに終わってしまいそうですね」
ある程度魔法が展開してある場所は見る人が見れば分かるし、探すのはそこまで苦労しなさそうだけど。
「いいや、見つけてからが勝負だ」
「え、どうして?」
「各魔法を解くのに強制的な解除は認められていません。つまり、掛けられた保護魔法のコードや魔法式を読み解いて正確に解除する必要があるんです」
宝探しとは名ばかりの謎解きですね。
エドガーはこちらに資料を見せながら言った。
となると必要なのは、練習というよりは傾向の下調べと隠し方の研究ということか。なるほど古代魔法に強いルーカスを選んだのはそのためか。現代魔法に比べて古代魔法は難しいとされているため、隠すのにはもってこいだ。
「毎年隠すための魔法は既存のもの以外を使っています。でないと魔法式などが公開されてしまっていますから。僕たちは本番までにできるだけ解除困難な保護魔法を作らなければなりません。エイド先輩がいないのは惜しいですが、今年はその意思を引き継いだエマさんがいますし」
「え、何のことですか?」
「君が先輩の研究室を引き継いでいると聞いていますよ」
流石、ウチの生徒会長は優秀らしい。




