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メンバー決定

「あの、ここにあるベン・ヘンダーソンって……」


「あぁ、この国の第2王子ですよ」


新学期から2年生として転入してきたんです。

エドガーはパソコンに目線を落としたままそう言った。

嘘でしょ?

……ってことはこの間言っていた1人目の転校生って、彼のことだったんだ。


「でも王子はクリスタルカレッジに留学してたはずじゃ……」


「よく知っていますね。王子はウィンチェスターに来る前に、3ヶ月だけクリスタルカレッジに留学していたんです」


てっきり長期の留学で、それが終われば学校には通わないと思っていたけどそうじゃなかったんだ。

まぁ他の攻略対象と同じように接していれば大丈夫、だよね。


選手情報の作成はとても面倒な作業であることは間違いないが、優秀な彼らにかかればすぐに終わってしまう。おそらく3日はかかるだろうと思われていたのにその日の放課後には終了し、その資料を基にエドガーは団体戦のメンバーを考えていた。


昨年のメンバーを考えれば、正直エドガーのものを見なくても本戦のメンバーくらいは大体わかる。おそらく生徒会役員は総動員、後は去年のメンバーと……問題は彼らがどうなるか、だな。


ー--------------

選考会から3日。個人戦の出場選手が確定し、生徒たちの関心は団体戦のメンバーに移っていた。

例年なら個人戦の出場選手のみがソワソワしているのだが、昨年個人戦に選ばれていないのに団体戦のメンバーに抜擢された私という存在が居たことで、個人戦出場選手はもちろん個人戦では結果が振るわなかった生徒たちも「もしかしたら……」と淡い期待に胸を膨らませているのだった。


「決まりました」


「団体戦のメンバーですか?」


「えぇ」


生徒会室で紅茶を楽しんでいると、目の下に真っ黒なクマを作ったエドガーがコーヒーをがぶ飲みしていた。どうやら悩みに悩んでやっと決まったらしい。


「今から彼らを呼び出します。エマさん、校内放送の手配をお願いできますか?」


「わかりました」


職員室に行き校内放送の許可を取ると、エドガーはそのまま放送室へと向かっていった。今から生徒会室に来いとの内容だそう。

私たち3人は来た選手を迎えなければならないので生徒会室での待機を命じられていた。しかし、現在生徒会室のスピーカーはメンテナンス中で放送が入らないので、誰が選ばれたのかは来るまで分からない。


「失礼します。あら、久しぶりね」


最初に入ってきたのは昨年の魔法競技大会本戦でフラッグサバイバルのガードを務めたソフィア・カーペンター先輩だった。そう言えば彼女とは交換留学以来あんまり会ってなかったかも。

ここに来たと言うことは今年も団体戦のメンバーに選ばれたと言う事。


「ソフィアさん。早いですね」


「たまたま近くにいたのよ」


放送を終え戻ってきたエドガーが声を掛ける。彼曰く競技ごとに時間を変えてもう全員呼び出したとのことだった。エドガーは簡単に説明をしてから彼女に赤い封蝋で止められた封筒を手渡した。


「ソフィア・カーペンター。君に魔法競技大会本戦、バトルロワイヤルの出場を依頼します」


「謹んでお受けいたします」


その後、同じく選ばれていたらしいアルバートとセドリックにも出場依頼がなされた。

残りの2人の出場者はフィジカルの強いイザナ・ブルーとエリカ・カーソンに。以外にも2年生からの代表が多く、てっきりイデアが入ると思っていた私は大いに驚いた。


アルバートとセドリックは言わずもがな。ソフィアは学校一の魔法の展開速度を誇り、今年もファーストポイントに出場が決定したと聞いた。後はフィジカル面で、というのもわかるけど……


「イデア先輩はバトルロワイヤルではないんですか?」


「彼は今留学中よ」


「あ、そうなんですね」


「そう言う事です。とにかく本戦のメンバーは後輩育成も視野に入れなければなりませんので、早速明日から練習に入ってもらいます」


「「はい」」


話が纏まると、生徒会メンバーのアルバートとセドリック以外はそのまま生徒会室から出て行った。


「そろそろ、トレジャーハントの生徒が来ます」


どんな人なんだろう。大体の予想はつくけど。

私は期待に胸を膨らませながら彼らの到着を待った。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 皇子なら確かに無理を言ってもなんとかなりますね。気付けば攻略対象が身近なところに揃ってしまいました。面倒なことにはならないといいのですが、、ゲームのいじめられているエマちゃんとそれを助けて…
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