準備作業
「え、嘘。すごい上がってる」
2年生になって初めての定期考査。
結果は250人中56位。今までで1番高い順位だ。基礎が身についてきたからなのだろうか。
それなりに勉強はしていたけど、1年の初めの頃のようにがむしゃらにやっていたわけではない。個々の点数を見てみると、どうやら苦手科目の点数が上がったことによる結果のようだ。
決して満足ではないけど、やったことは身についているようで良かった。
私はそのまま生徒会室に向かう。エドガーから放課後すぐに来るようにと指示されていたためだ。おそらく魔法競技大会についてのことだろう。テストが終わって生徒たちの関心は魔法競技大会に向いている。エントリー受付も始まっているし、生徒会はこれから大忙しだ。
「アルバート、君は練習場所の割り当てと許可を。セドリック……」
生徒会室に入ると、既に私以外の3人は到着しておりバタバタとしていた。
「あぁ、エマさん。お疲れ様です。早速申し訳ありませんが、エントリーシートをまとめてもらえますか?」
彼は横のテーブルに山積みになっている提出されたエントリーシートを指さした。私の仕事はこれを新人戦と本戦に分け、種目ごとに名簿を作成すること。彼によると、毎年謎に1人で2枚出したり名前を書いていなかったりするエントリーシートもあるという。つまり、とてつもなくめんどくさいし大変だと言う事だ。
しかし、言っていても仕方ないので、私は3人とも出て行って誰もいなくなった生徒会室で1人パソコンとにらめっこしていた。
「これ……1日じゃ無理だな」
下校時間ギリギリ、というか夕食の時間くらいまで粘ったが、終わったのはこの山のうちの僅か4分の1程度。戻ってきたアルバートが手伝ってくれていたが、彼にも彼の仕事がある。それに結局1人1人今までのエントリー者と重複しないか照らし合わせないといけないので、折角手伝ってもらってもさほど作業スピードは変わらない。
なんで照らし合わせないといけないんだと最初は思っていたが、やっているうちにその理由が分かった。1つのエントリーシートには2種目までしかエントリー出来ないが、言ってしまえば3枚出して受理されれば、選考会には全種目出られる。正直結果で上位から選ぶので、生徒会としても最初のエントリー以降、誰がどの種目に出場している、などは把握できない。つまり、この最初で最後の審査を潜り抜ければ、選ばれるかはともかくすべての種目で代表になる可能性を得られるのだ。
大方今までもそれに成功した生徒がいたのだろう。何枚も提出している生徒が非常に多い。いい加減何枚も出した生徒は失格にするとかしてよ。というか全校生徒1000人。3年生までなら750人くらいしかいないのに、この受付しだした段階でエントリーシートがあれだけ積まれているなんておかしいと思ってた。
エドガーはこれを見越して私にはこれ以外の仕事を与えなかった。まぁ去年全て1人でやり切った彼には敵わないけど。
「もうちょっとだけ進めよ」
ここまで読んでくださりありがとうございます。
このお話を持ってこの作品は150話に到達いたしました!
自分でもまさかこんなに書けるなんて思ってもいなかったのでびっくりです。50話くらいで終わらせるつもりが、なんだか200話まで書いても終わらない気がしています(笑)
この作品を読んでくださった方にとって、少しでも毎日の楽しみになるような暇つぶしになるような作品を書けるようにこれからも精進してまいります。
ブクマ評価、感想レビューお待ちしておりますのでお時間があればぜひよろしくお願いします。
これからも『ヒロインって案外楽じゃないですよ?』をよろしくお願いいたします!
追伸、もしかしたら明日は更新しないかもしれません。気分次第かなと思いますがご理解のほどよろしくお願いいたします。




