学年末テスト
157位 エマ・シャーロット
ですよね。
張り出された紙には、私がここに来てからの最低点が記されていた。
これ、数学理論無かったらほんとにヤバかったやつだ。
まぁ赤点は免れたので、そこは良しとしよう。
なんせ、この2週間ほとんど提出課題の方に追われていて、ほとんどテスト勉強としてまとまった時間は取れなかったので。課題の内容がテストに繋がっていたことが幸いだった。
学年末テストも終わり、いよいよ明日から春休みだ。
とはいえ私にはやることが今から山積みだ。3週間後には卒業式もあるし、さらにそのすぐ後には入学式も控えている。入学式についてはまだ詳しいことは聞いていないけれど、間違いなく生徒会として何かしら仕事を任されることだろう。
「とりあえず、いつ呼ばれてもいいように卒業式とプロムの仕事は終わらせよっと」
私は部屋に戻って書類仕事に取り掛かる。
必要な資料はほとんど既にエドガーから受け取っているので、特に苦労することは無い。
3日後。私は出来た書類を持って生徒会室へと向かう。
ドアを開けると、そこにはエドガーが1人で作業をしている。
「おはようございます……あれ?エドガー先輩だけですか?」
「おはようございます。えぇ、2人はそれぞれ仕事で外に出ていますので」
私とエドガーが書類仕事な分、セドリックとアルバートは外回りの仕事をほとんど全て担うことになったらしい。書類仕事と言っても、私のはほとんど作業に近かったのでそんなに時間はかからなかったけど。
「確認しました。これで大丈夫です。何かあったらまた指示しますね」
紅茶を飲みながら待っていると、しばらくして書類の確認を終えたらしいエドガーから声が掛かる。私に与えられた仕事は終わったらしい。後は人手が足りなくなった時に呼び出すと言う事だろう。
私は軽く挨拶をして生徒会室を去る。
「春休み、一気に暇になったな……」
いや、やることは全然あるんだけど。
何だか忙しすぎたせいで、少しでもゆっくりできる時間があるとなんだかムズムズしてしまう。
「とりあえず、ベノさんに連絡取るか」
私はベノさんにメッセージを送信すると、自室まで歩くのも何だか面倒になって近くの植物園で一休みすることにした。どうせこの後予定なんて無いし、出来るうちに少しくらいゆっくりしておこう。しっかり休んだらこのムズムズも無くなるだろうし。
植物園の中でも、1番気候が安定していて過ごしやすい温暖湿潤気候のエリア。やはり日本に住んでいた私としてはこの気候が1番落ち着く。
外はまだまだ寒いけれど、ここはそこまで寒くない。年中植物を生育するために少し温度を上げてあるのでむしろあったかいくらいだ。
私は気にもたれて読書でもしようかと持っていた本を開く。
しかし、連日の忙しさで疲弊した体は、この心地よい空間に意識を遠のかせた。
「……ん」
目を覚ますと、すっかり辺りは夕方になっていた。
ヤバい、めっちゃ寝てたわ。
時間を確認しようとスマホを確認すると、午前中に送ったメッセージの返信が帰って来ていた。
「あ、やった。ラーハ神殿許可下りた」
この時の私は迂闊だったと思う。寝起きであまり周りを見れていなかったのだ。
けれど、気が付いたときにはもう遅い。
「ん?なんだか面白そうな話してるな」




