六、ハンドスピナー
小学生のいとこたちが収集し、無心で回し続けていたハンドスピナー。
色、形、材質、重さ。キャラクターのデザインがされたものや、光るものもある。
それぞれがそれぞれに個性を持っているが、遊び方はただ回すだけ。
宿題そっちのけでひたすら回し続けていれば飽きるのも当然だろう。
叔母が捨てるつもりだったそれを、僕はほんの気まぐれから引き取ってしまった。
しかし、こんなにも沢山あったとは。
コンビニの袋に詰められていたそれらを机の上に並べると、改めて数の多さを実感した。
気まぐれに一つ、二つと回してみる。
机の上でクルクルと回転するのを見ていると、つい続けて回したくなってしまった。
全てが回っている光景はきっと壮観だろうな。
期待しながら回していくが、見るからに安っぽいものはすぐ回転力が弱まって止まってしまう。
どうやら回す順番も重要らしい。
両手を駆使して回転力のありそうな金属製のものから順に回していく。
ここまでで約半数。
このままのペースで回り続けてくれれば、すべてが同時に回ることも不可能ではない。
希望を見出したその時だった。
指先に鋭い痛みが走る。
スピナーの一つがガタガタと揺れながら他のスピナーに衝突し停止した。
緊張が緩んで手がぶつかったのか。
理解した僕の視界に、赤い液体が映った。
――血だ。でも、なんで?
混乱しながらも指を見やる。
スピナーに当たった指は切れ、血を滴らせていた。
止血しているうちにしらけてしまい、スピナーはすべて元の袋へ乱雑に放り込んだ。
そこへ、叔母から電話が入る。
「うちの子ったらおもちゃにミキサーの刃を混ぜたかもって言うのよ。悪いけど確認してもらえる?」




