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十七、宝箱
「大切なものを入れなさい」ってママがくれた、ネズミのキャラクターが付いたカンカンの箱。
おっきくていっぱい入りそうだった。
そこに宝物ぜんぶ詰めたんだ。
ビー玉、色えんぴつ、セミの抜け殻。
色んなものを入れたから、おっきい箱もすぐいっぱいになっちゃった。
でも、その後になって一番大事なものができたんだ。
妹のちーちゃん。
小さくて泣いてばかりだけど、みんな可愛い可愛いって大事にしてる。
このうちで一番大事なちーちゃん。
ちっちゃいちーちゃんだけど、宝箱に入れるには大きすぎる。
半分こにしたら入るかな?
やっぱり大きすぎるかな?
ねえ、ちーちゃん。
泣いてないで答えてよ。




