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腕相撲-優勝候補-

 村の広場に作られた高台の上に村長と腕相撲参加者20名がいる。その中には勿論俺もいる。

 観客席に目を向けるとイリアがいる。


「アーク、頑張れ」


 イリアに手を振ると振り返してくれる。満足げだ。こっちもちょっと嬉しい。


「これより奉納祭を開催するぅぅぅ」

『『ウェェェェーイ』』


 祭りのためか村人のテンションがちょっとおかしい。みんな少し羽目が外れている。


「本日は飛び入り枠で冒険者アーク殿が参加している。注目選手だ」

「兄ちゃん頑張れよ!」

「モフモフ最高!」


 全体的に好意的なヤジが飛んでくる。曖昧に笑って返しておく。

 腕相撲参加者は屈強な男からノリで参加しました的な若者など様々だ。

 気になったのは村長の娘さんニッキーさんが紅一点参加していることだ。


「では腕相撲大会開始だ!」


◇ ◇ ◇ ◇


 喧騒と共に腕相撲は進んでゆく。

 腕相撲のルールは至って普通のものだった。

 机に肘を置き、相手の甲を机につけたら勝ちだ。


 村で一番強いものを決める大変名誉なイベントらしい。

 そのため、目の前で試合が決着がつく度に観客から一喜一憂の声が繰り広げられる。

 村の中での立ち位置を決める大変重要なイベントだったのかも知れない。

 俺も俺で勝たなくちゃいけないから手を抜くつもりはないぞ。

 そうこうしている内に俺の番が回ってくる。


「では、両者肘をつけて」

「へへっ、俺様と当たるとは運がないな。せいぜい楽しませてくれや」


 俺の初戦の相手は本大会の優勝候補らしい。確かに俺より体は一回り以上大きく、腕も丸太のように太い。


「全力でやっていいってことだな?」

「フンッ、何粋がってるんだ?虚勢張るのも大概にしいや」


 チートスキル、熊パワーON。

 <<システムメッセージ STRが強化されました>>

 全神経を腕に集中させる。


「はじめぇー!」


 ゴン!

 勝敗は一瞬でつく。瞬殺である。

 優勝候補の手首が外れてプラプラしている。


「勝者、アーク!」

「うぉぉ、すげぇ!」

「飛び入りいいぞぉー!」

「ざまぁwwww」


 様々な野次が飛び交う。

 てっきりこちらが悪役として嫌われるかと思ったらそうでもなかった。

 嫌な奴だとは思ったが、どうやら村でも嫌われていたらしい。


「まだやるか?」

「もういい、いえ、もう充分でございます」


 頭を下げる優勝候補。

 別にマウントとるつもりはないが、これで粗暴が減れば良いと思う。

 こうして初戦は皆の予想を裏切り大金星を挙げた。

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