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イリア嬢 → イリア-ご想像におまかせします-

 ケーキを食べ終わって一息ついた俺達。

 ハンナさんが俺達のテーブルからお皿を片してくれて紅茶のおかわりを注いでくれる。


「そういえば、ペルラちゃん、ケーシーちゃん、ゴンちゃんはいつ来るの?」

「んー、多分数カ月先になるかと思いますよ」

「アークは別行動中?」


 チラっとイリア嬢に目を向けるハンナさん。


「ええ、イリア嬢と旅に出る予定が出来たので」

「気をつけてね」

「ええ、気をつけます」


 多分、分かってて話題に触れてないんだろうな。その気遣いに感謝する。


「ペルラちゃん、ケーシーちゃん、ゴンちゃんって誰?」

「ああ、イリア嬢と会う前に一緒にいた冒険者仲間だ。諸事情で俺は残ったんだ」

「また一緒になれるといいね」


 微笑みかけてくれるイリア嬢。全くだ。またあいつらと一緒に冒険したいな。ちょっとしんみりしてしていまう。


「だからね、今は、私がいるよ」

「全くだ。よろしく頼む。イリア嬢」

「イリア嬢やめて。イリアと読んで。ペルラちゃんはペルラなんでしょ」

「ん?分かった。じゃあ、イリア、あーイリアよろしく頼む」

「よろしくね、アーク」


 俺がイリアをリードするつもりだったのに、何かイリアから教えてもらっている。少し気恥ずかしい気持ちになる。

 

「あらあら、仲のよろしいことで」

「ん?何がですか?」

「ペルラちゃん悲しませないようにね」

「イリアと仲良くなることがどうして?あいつだって子供じゃないんだから、ヤキモチなんてやかんでしょ。子供に親切するのは男の常識っすよ」

「わたし、子供じゃないよ」


 さっきまで機嫌よかったはずなのに急に機嫌が悪くなるイリア。そういう所が子供だと思うんだがな・・・。


「すまん。すまん」

「わたし、ちゃんと役に立つからね」

「勿論期待していさ。よろしく頼むぜ」


 ペルラ達は元気でやってるだろうか?


◇ ◇ ◇ ◇


「でっ、目的地はどこなの?」

「道なりに進めばいいらしい。まずは神託に記されている通り海岸を目指すぞ」


 魔法使いケーシーと騎士ダニエルの関係が日に日に悪化している。

 不毛の西の大地を進む私達。不安ばかりが募っている。


「ペルラ殿、気分が優れないようですが休憩されますか?」

「ナイアさん、私は平気です。お気遣い感謝します」

「同じパーティーメンバーじゃないですが、仲良くやりましょう」


 場違いに朗らかなシーフ、ナイアの声が寒々しく響き渡る。


 アークさんと別れて数日経過する。目的地を目指して進んでいるわけだが騎士ダニエルが日に日に乱暴になっている。

 今までは騎士ダニエルの矛先がアークさんに向いていたから表面化していなかったが、その矛先が今度は魔法使いケーシーに向きつつある。私達本当にこれで聖遺物の回収することが出来るのか不安ばかりが募る。

 アークの相棒であるウルフがとても恋しい。こんな時にアークさんがいてくれたらいいのに。

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