Aランク依頼-ギルド内の最高ランク-
最奥のギルド応接室に入室してきたのはやはり受付嬢ハナさんとギルドマスターフィンさんだ。
フィンさんは相変わらず筋肉隆々で体がデカイ。俺と比較しても二周り程は大きい。40代に突入したのに何故か俺より若々しい。
「ようっ、久しぶりだなアーク。パーティ残念だった」
「お久しぶりです。フィンさん。過ぎた話です」
空元気で平気なフリをする。騎士ダニエルから追放されたことは尾を引いている。但しイリア嬢がいる前で見せるもんじゃない。
「こんにちは、お嬢さん。俺はフィンっていう。お嬢さんの名前を聞いていいかな」
「イリア」
「いい名前だ。よろしくなイリア嬢」
ニカッと気持ちよい笑顔を浮かべるフィンさん。どう反応したらよいか分からずイリア嬢がこちらに視線を振ってくる。
「大丈夫だよ」
イリヤ嬢はフィンさんに対してペコリとお辞儀する。
「仲がよくて安心したぜ。イリア嬢とアークの関係も気になるが、まず何から聞いた方がよいかな・・・。そうだな、村長ブライトンさんから何か預かってないか?」
「これを」
相変わらず勘がいい。出発前にお預かりしていた手紙を2通渡す。冒険者ギルド宛てと、宛先が分からない手紙だ。冒険者ギルド宛の手紙をフィンさんは読み始める。すると表情が険しくなる。読んだ手紙をハナさんに渡すとハナさんも険しくなる。フィンさんがハナさんに目配せするとハナさんはスタスタと部屋を退出した。
「全く、当たんなくていい予想ばっか当たるな」
「どうですかね」
「ブライトンさんと俺達(冒険者ギルド)の意向は変わらんぞ。街の治安維持は俺達にとっても重要な話だ。アークはイリア嬢を全力で支援しろ」
「分かりました。何かアテにしていいことありますか?」
「すまんが、人的支援は諦めてくれ。今の段階では秘匿性の方が重要視される。お二人さんでの調査だな」
「アテにしていいことは何もないんですか?」
「安心しろ。ちゃんと冒険者ギルドとして支援する。本件はAランク相当の案件だ」
「俺、Bランクっすよ!?」
「??」
悲鳴を上げると、不安げにイリア嬢がこちらを見つめてくる。息を大きく吸って吐く。ニカッと笑う。いかん、いかん見られてる意識忘れちゃいかんって。
依頼のランクはE〜Sランクまである。
S 国家が対応しなければならない案件
A 極めて深刻。冒険者ギルドが最優先で取り組まなればならない難題
B 影響が重い案件
C 一般的な案件
D 影響が軽い案件
E 影響が軽微な案件
今回の依頼はAランク。冒険者ギルドが最優先で取り組まなければならない案件だ。つまり、冒険者ギルドが取り扱う案件の中で最も重い案件になる。元パーティにいた頃は「チーム」でBランク相当の依頼こなしていた。今回は言ってはなんだがイリア嬢を護衛しながらAランク相当の案件をこなさなければならない。自分に出来るかこれ?




