最強兵士、異世界へ転生ス
20xx年 北アフリカ
「隊長!全装甲師団万全の状態で配置に付きました!いつでも出撃可能です!」
「了解した。ならすぐさま出撃するぞ。敵はどこから来るか分からんからな」
俺はそう言って二等兵に出撃の用意をするよう命じた。
俺の名前は諸星龍司。日本国防軍所属の軍人だ。そして何やら伝説の兵士と言われているらしいがそんなものは俺からすればどうでもいい事だ。
「総員!良く聞け!我らはこれより地中海への入口たるスエズ運河の制圧を行う!敵を恐れるな!全師団の力と訓練の成果を見せてやれ!」
そう言って自分の部活達を鼓舞する
「うぉーーー!!」
「戦車隊!前進せよ!」
その言葉と共に数百の戦車が唸るようなエンジン音を上げて出発して行った
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1時間後
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「おかしいです…敵の姿が一向に見えませんもう接敵してもおかしくないのに…」
機関銃手が言う
「確かに。だが見当たらないなら好都合だ。このまま運河を制圧しよ」
その時だった。
「ドガーン!」
前方の味方戦車が突如爆発した。
「何が起こった!?」
「分かりません!…!?右から敵爆撃機!来ます!」
「敵機直上!急降下ぁ!」
運転手が言う。
「機関銃!撃ちまくれ!弾幕を張って敵の狙いをずらせ!」
取り付けられた12.7mmM2ブローニングが火を噴く。だが高速で迫り来る戦闘機相手に機関銃など無意味だった。
「敵!爆弾投下!」
「総員!回避!回避!」
だが、間に合わなかった。戦車の右側面に命中し、俺の体を貫いていた幸運だったのは不発だったことだろう。
「た、隊長…!」
二等兵の声がするが意識が朦朧として分からない。
「ハハッ…まさか伝説の兵士がこんなあっけない最後を迎えるなんてなぁ…これだから伝説だのなんだのは嫌いなんだ」
「ま、まだ!手当すれば!」
「ダメだ。俺はもう手遅れだ…そんな事俺が1番分かってる。」
「なぁ二等兵」
ボロボロの体に鞭を打ち二等兵に問う
「お前はこの部隊に居て楽しかったか?」
「…はい!もちろんです!楽しかったに決まってます!」
その答えに安堵する
「そうか…なら良かった…ちょっと眠くなった……寝てもいいか?」
「…はい!ゆっくり眠ってください、スエズ運河を占領したら起こしますから」
二等兵の言葉に安心する
「そうかぁ…なら…たの…む」
そうして俺は意識を手放した
伝説の兵士の遺言を聞いていたのは二等兵だけだった。
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