其の4 まさや君とお昼寝
「より子先生、そっちに行っちゃダメだ!そっちにはアーモンドの沼が!……くっ……間に合わなかったか……ムニャムニャムニャ」
まさや君は、何の夢を見ているんだろう?
今はお昼寝の時間。
園児達が、タオルケットをお腹にかけて雑魚寝をしている。
右にまさや君、左にみどりちゃん、そして私の足下には、ゆうき君が寝そべっていた。
毎度の事ながら、まさや君の寝言は尋常じゃない。
寝てるのか起きてるのか分からないほど、はっきりと喋る。
どうやらまさや君の夢の中では、私はアーモンドの沼にはまったらしい……
「大丈夫だよ、より子先生!先生の事はどんな事をしても、このまさやマンが助けるから!……ムニャムニャ」
あら、頼もしいまさやマン。
私のピンチを救ってくれるだなんて。
「さぁ、より子先生!早くこれに掴まるんだ!このうなぎに!」
掴めるか!ヌルヌルじゃ!
頭をはたいてツッコミたかったが、一応寝言という事で、ほっぺをつついてみた。
「流石、ただでは起きないより子先生だね!お口いっぱいにアーモンドを含みながら生還するなんて、見上げた根性だよ!……ムニャムニャ」
私はリスか!
でも、こういう寝顔を見ていると、まさや君もやっぱり子供なんだなぁと思い、改めて母性を擽られる。
っていうか私、うなぎを掴んで助かったみたい。
「だから、より子先生! そっちに行っちゃダメだって!! …………またか。……ムニャムニャ」
私、どんだけ縦横無尽に歩いてんのよ!?
「でも大丈夫だよ、より子先生。このまさやマンがついているからね! どんなピンチもボクが助けてあげる!……ムニャムニャ」
フフフッ……嬉しいわ。
今後はどんなピンチだったのかしら?
「さぁ、手を伸ばして! ボクがアーモンドの沼から引き上げてあげる!」
またアーモンドの沼にはまったの!?
私、バカじゃん!
っていうか、アーモンドの沼って何!?
どういう設定!?
チョコレート工場とか異世界で何かしてんの!?
「本当により子先生は、手がかかるなぁ……やっぱりリールを繋がないとダメなのかなぁ……ムニャムニャ」
私、ペット!? ペットなの!?
やっぱ異世界系!?
「えっ? リールは絶対嫌だって?」
いや、話は出来てるみたいだから一応、人の設定なんだ……
それはそれで問題だけど……
「しょうがない。目隠しを外すか」
目隠ししてたんかい!!
そりゃ、沼に落ちるわ!!
この後、まさや君、みどりちゃん、ゆうき君が、お約束のごとくお漏らしをし、私はその処理に追われるのであった……




