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陵ver


陵ver




自作の夕飯はいつも焼肉にして~俺はタレ派を歌いながら帰ると、腹が鳴った。


育ちざかりには、厳しい時間だぜ。夕方って!



「今日の夕飯、なーにかなー!」



ただいまを叫びつつ帰宅すると、青祥せいしょうが顔色を変えてダッシュしてきた。やべえ、士學しがく先輩にパシられてるなら俺もなんか頼もう。



「わるいこは~~いねーーがーー!!」


「どこのなまはげだっ!!つーかなんでスーツなんだよ」



コンビニに用じゃないとなったら青祥に興味なんかねえ。


どうでもいいけど一応聞いたら、何故か腕を掴まれて居間に拉致られる。なんだ?



趙陵ちょうりょうくん、犯人は君だね?」



何故か椅子に座らされてエアーカツ丼とエアー照明。エアーは食えないから、ふざけんならマジでカツ丼だせよ。


と、思いつつ、もしかして、アレがバレたのか?でも、なんで青祥に?



「黙秘権を行使する!そしてカツ丼くれ!!」


「いま、なーんでギクっとしたのかなー」



うかつだった!反射で心当たりのあるゴミ箱に視線が泳ぐ。


青祥が怖い笑顔でエアー照明を近づけてくる、違う意味でやべえ。なんでこんな刑事ゴッコしてくんの、二十歳のくせに。



「ほほう、ゴミ箱をみましたね~?」


「な、なんのことかなー」


「おまえなぁ、隠し事下手くそだろ、陵」


「兄貴!」



振り返ると何故かティーシャツと制服のズボンという、兄貴らしくないラフな格好で階段を下りてきた。



「兄貴こそどしたの、そのカッコ。いつもちゃんとワイシャツ着てるのに」


「叔玄にボタンとれてるって、持ってかれたんだよ」



ああ、なんだ。いつものことか。


兄貴ってば女子にキャーキャー言われても冷たいから、服とかボタンとかよく盗まれるんだよなぁ。


ま、叔玄兄貴みたいにいちいち構ってるのも大変そーだけどなー。



「おい!!美形兄弟!!俺モテてる自慢はどうでもいいんだよ!!俺の話を聞けーー!」


「兄貴、なんで青祥こんな壊れてんの?すげえウザい」


「お前が隠し事してるからだよ」


「げ!!マジかよ……」



説教なら兄貴か、士學先輩の担当だろぉ。青祥みたいなモブに捕まるとか、俺ってついてねえな。



「わかったよ、バスケのときダンクしたらゴールが壊れたのは、アレだ、老朽化?だったんだよ」


「また破壊報告!?違う、俺が求めてる懺悔は、そんな話じゃないし!!」


「じゃあ、アレか。野球部のヘルプいって四死球だしたら捕手が倒れて……」


「それマジで死球!!自陣の捕手倒すゲームじゃないから!!じゃなーーい!!スポーツネタから離れろ!」



え、マジか。運動のネタ以外って言いたらーーーやっぱアレか、アレなのか。


兄貴が俺の頭をポンポンして、女子なら即死するスマイルを向けてきた。



「昨日、ゴミばこに捨てたのは何か青祥に教えてやれ」


星游せいゆう、ナイスアシスト!!そうだ、それ!!」


「な!青祥にはかんけーねーだろ!!」



くっそー兄貴が見てたとは。


ゴミ捨てを志願してその中に隠滅すれば良かったのか?でも普段しないことしたら怪しまれると思って、さりげなくゴミ箱に捨てたんだよなぁ。



小テストの赤点。



「ちぇ、わーかったよ。小テスト、捨てたよ。中間で赤点とらなきゃいいだろ!」


「はあ!?」



は?なに、この反応。


俺に隠し事はかせよーとしてた癖に、なんか唖然としてんだけど。


俺の頭に手を置いたままの兄貴の手が、じわっと強まる。それがなにより怖ェー!



「前日きっちり見てやったのに、また赤点を隠してたとは、いい度胸だな」


「兄貴ゴメンって!数学の公式忘れてさぁ」


「ん?言い訳か」


「ゴメンナサイ、もうしません」



謝る俺に、何故か青祥が崩れ落ちた。さっきから挙動不審でうざいな。いつもか。



「じゃあ、プリンは……」


「は?プリン?昨日のあまり、もう分けンの?」


「その反応からして、なくなったことも知らないと見た!!じゃあ誰が犯人なんだよーーー!!」



え、プリンないのかよ!!


つーか、そんなことを聞きたかったのか!俺はなんて墓穴を……青祥のおかしいキャラにハメられたぜ。



「俺のプリン捜査線はどうなるんだーー!!」



謎の青祥の叫びより、兄貴のほうが俺は怖いわけで。


ご飯の時間まで俺は机に座らせられて、ボタンつけしながらその針で刺しかねない叔玄しゅくげん兄貴に監禁される罰を受けた。


青祥のその後は知らん。


.

言葉にされてないとこでの青祥への存在が酷い。でも、それでこそ青祥かと。

次回、星游ターンで謎解決です。でも多分誰でもどうでもいいかとw

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