第二話
今日もいつもと変わらない日になるはずだった。
キーコーンカーンコーン
学校のチャイムが鳴りお昼休みとなる。
「ふぁ〜眠い」
「いつもより眠そうな顔して…どうしたんだ?」
「実は昨日の夜から酷い耳鳴りが止まらないんだよね」
そうあれは昨日の夜、いつものようにお風呂に入り寝床に着こうとしたその時。
オキナーーーーーーーーー
自分の名前を呼ばれたかと思うと酷い耳鳴りが発生、そのせいで一睡もしてないのである。
「マジかよ、病院とか行った方が良いんじゃないか?」
「うん〜…放課後に行ってみるとするよ」
「…話変わるけどよ、やっぱり数学の先生書く量が多すぎるよな」
「毎回その話題だな、同意はするけど」
耳鳴りの事は気にせずいつも通り授業の愚痴をこぼしていると。
ーーーすーーーてーーー
耳鳴りに混じって声が聞こえ出した。
それと同時に頭に激痛が走り視界がぼやける。
「っく、何だ」
思わず耳を抑えてしまう。
「おい、マジで大丈夫かよ!」
ーーたすーーけてーーー
「た、助けてだぁ?! くっ!」
あまりの急変化に周りが騒ぎ出した。
「誰か先生呼んでこい!!!」
秋田の指示により生徒が1人廊下を走るがその音も次第に聞こえなくなる。
「翁!翁!大丈夫か翁!!!」
視界が霞んでいき最後には声も聞こえなくなり耳鳴り混じりの謎の声しか聞こえなくなった。
ーーたすーーーけてーーー
あの声はまだ続く。
「何ダァ?何を助けて言っているのだ?」
思わず答えてしまう。
ーーたすけーー
しかし返答は同じ。
「だから何を助けろって言ってんだよ!」
だんだんはっきりと聞こえ出す声に思わず怒りを顕にして答えてしまう。
突如耳鳴りは止み真っ暗な暗闇だけが残った。
「いったい何だったんだろうか…」
先程の声の招待などを考えていると。
ーー私達の世界を助けてくださいーー
はっきりとした声が突然聞こえた。
次に暗闇が一気に光に包まれ全体が真っ白な空間へと変わる。
そしてその空間に1人ポツンと立っていた。
「どこだよ…此処は…」
周りを見渡してみたが何もなく本当に真っ白く何もない。
そんな空間が広がっていた。
「俺は…死んだのか?」
こういう空間が天国なのか?と思ったが。
「そうではありません」
次に聞こえた声にその考えはなくなった。
声が聞た方向へと目線を向けると、先ほどまで無かった白いテーブルに椅子が置かれている。
そのテーブルは白く目立たないが細かな装飾が施されており、素人の目から見ても貴重なものだと思える。
白のテーブルを挟んで向こう側には全体がモザイク処理を施されている人が白く美しい椅子に腰を掛け紅茶らしきものを嗜んでいたのだった。
「…あなたは?」
思わず声をかけた。
すると仮称モザイクンちゃんは右手を広げ。
「立ち話をなんですしすわってはいかかでしょ?」
座るように誘導したのだ。
自分側のテーブルを見ると先程までなかった仮称モザインちゃんと同じ物と思われる椅子が置かれているのだ。
椅子の方に無意識に向かってしまい、何かに惹きつけられるかのように椅子に座る。
「紅茶はいかがですか?」
紅茶を進めると、先ほどと同じように突如ティーセットが出現した。
流石に二回目なのだ驚きはしないが、今は紅茶の気分ではないのでジェスチャーで断ると先ほどと同じ質問をする。
「それであなたは誰でしょうか?」
ティーカップを置くと落ち着いたトーンで語りだした。
「私はイクリプス。あなたがわかりやすく言うと別世界の創造神をしていますわ」
創造神と言われたがさほど驚きはしなかった。
先程までの現象を見る限り、なんとなく神かそれに酷似した存在だと直感でわかったからだ。
「それで創造神様が私になんの御用でしょうか?」
相手は神なので一応は礼儀正しく接せねばと思い、クリスティーナ仕込のパーティーでの礼儀作法壱を試してみたが。
「そんなかしこまらないでください」
結果は失敗したようだ。
「それに私はただお願いを聞いてもらおうと思いお呼びしたのですから」
お願いと言う単語に何か引っかかったの追求してみと。
「お願いとは?」
「お恥ずかしながら、実は私の世界がある二人の人物により危機を迎えようとしています…」
案の定面倒事。
それからの神により世界の事情を知ることとなった。
わかりやすく言うと、元々世界では魔王のせいで民達はピンチを迎えていた。そこで別の世界から勇者を招き魔王を退治と計画。チート能力を与え旅立たせ実行したは良いが人選を間違え逆に勇者が魔王に協力。一緒に世界を滅ぼそうとしているのだった。そこで今度はまた別の世界から人間を招き入れチート能力で2人ともシメてもらおう!と言う事で呼び出されたと言う事であった。
「お判りいただけたでしょうか?」
「マジかぁ…別で戦わなきゃいけないのか…」
少し考えてみたが元の世界にはクリスティーナがいるが、一応自分は死んでないみたいだしいつかは会えると思い。
「いいぞ」
了承した。
「そうですよね、ダメですよね…え!?」
断られることを覚悟していたのか涙まじりの声が一転、軽く興奮したような声へと変わる。
「本当ですか!!!」
ものすごい勢いで聞き直してくるので目の前の紅茶を一口飲み、改めて言う。
「あぁいいぞ、困った人を見捨てない、これが母と父からいつも言われていた言葉だ』」
本当は秋田から異世界物のアニメの話を聞かされ、本当にそんなことがあれば自分も体験したいと言うのが本音である。
「ありがとうございます、ありがとうございます!」
テーブルにめり込むかのようなスピードで頭を下げたと思うと、涙声で"ありがとうございます、ありがとうございます"と連呼する。
流石に神様からこんなに感謝されるとも思えずすぐに顔を上げるよう伝え顔を上げさせた。
頭を下げた跡には鼻水が糸を引きテーブルと神の顔をと繋げていた。
「それでその能力とやらは選べるのか?」
単純な疑問。
もし自分に相性最悪な能力だったら戦えないので、それならいっそ自分で能力を選んだほうが良いと思ったからだ。
「はい、ご要望があればどんな能力でも用意することは可能です」
「へ〜、選べるんだ…」
「なにか思いつきましたか?」
数分間考えてみると自分にはある趣味がある事を思い出し。
「こんな能力はどうだ?」
能力をの内容を提案してみると神のテンションはますます上がる。
「いいですね、その能力!、そっち関係に詳しいと元の世界の神から聞いてますしぴったりと思います!」
あ、薄々わかってたけどやっぱり世界によって神様は違うのね。
そんな事を考えながらテンションを合わせて答えた、堂々とした態度で。
「だろぉ俺にぴったりな能力だ」
「はい!」
「それで言語なんかは大丈夫なのか?」
この質問は大事である。
どんな世界でもコミュニケーションが取れなくては生活もままならないからである。
「その辺は大丈夫です!あっちへ送る途中に脳の中に言語関係の情報を全て刷り込んでおくので安心してください!」
「おっおう」
一瞬脳内に滑り込ますという恐ろしい単語が飛び出したが、相手は神なので納得することにした。
それから神は紅茶の残りを勢いよく飲み干し立ち上がっると。
「それでは転送準備に入ります」
神が"パンパン"と軽く手を叩くと、白かった天井が真っ黒となり足元に強い光を帯びた魔法陣らしきものが出現したのだった。
「準備はよろしいですか?」
その問いに親指を上に立て前へと突き出し。
「おう!いつでも良いぜぇ」
返事をした途端、体が光包まれ目の前が真っ白へと変わる。
光に包まれている最中、神の見せた顔はモザイク処理が施されていてもわかるほどに不安だと言う顔だとわかった。
どうも、ポークフィッシュです。
またもこんな駄作を読んでくださりありがとうございます。
今回はなんと言いますかお決まりのパターンで攻めてみました。
まぁ駄作なので王道でも関係はありませんがね。
さてさて、誤字などの問題点がありましたら気軽に教えてくれると助かります。
それではまた次回!