『幕間3:魔法』
待ってたよ。待ち疲れて何十もの人生を読破してしまったよ。
さて、前にも少し触れたけれど、今日は魔法について説明しようか。
いつもより少し長くなるけれど、後半は魔法を纏めているだけだからね。
……あぁ、ごめんごめん、君に対してじゃないよ。
魔法には十四の属性と、それに対応した『七つの大罪』がある。大罪を背負っているから魔法を使えるとも言えるね。
だからかな? 魔法によっては罪が大きいほどに効果を増減させるものも存在するんだ。特に戒めや害悪、回復や加護の系統、闇と光属性の魔法は強く影響すると言われている。
また、魔法には種類もいくつかある。この種類というのは、いわゆる発動条件だと思ってくれればいい。
詠唱魔法…必ずしも呪文である必要はなく、演奏する、踊る、種を蒔くのように、何かの行動をキッカケとして発動する魔法のことだ。一般的にはこの魔法が多いね。
無詠唱魔法…詠唱魔法の発展型であり、呪文詠唱せず発動する魔法。ただし熟練者の技量があり初めて成立する。
常用魔法…常に発動している魔法。ハヤテの幸運やトールの拒絶などが当てはまる。
付与魔法…他者に魔法の力を分け与えることで発動できる魔法。風神の加護やアステの回復などが当てはまる。
継承魔法…人から人へと継承することができる魔法。単一魔法の場合のみ継承できる。メイジーの夢現は母親→フレア→ノイバラと継承しているみたいだね。
具象魔法…専用の道具を用いた魔法。多くは産まれながらにこの道具を手にしている。カースのタロット、アステのロザリオなどだね。
ちなみにソナーレの魔法は演奏という行為により発動するため、一つの楽器に囚われないから、詠唱魔法に属するんだ。
上記の例外として、魔術という概念も存在する。
魔術というのは魔道書に記された魔法陣と、呪文の詠唱、魔法名の発言により発動する。それによって他者の魔法を使用することができるというものだね。
ルーン文字を読むことができるのは、魔道書に選ばれた禁術使いだけなんだ。条件や原理は未だ不明な点が多い。
ちなみに禁術使いとは、人の身には余る魔法を使える魔法使いのことだ。
生命を生み出すレイン、願いを叶えるメイジー、偽りの記憶を焼き付けるアッシュ、因果をねじ曲げるハヤテ、呪いをかけるカースが当てはまるね。
他にも禁術を宿してると話題に挙がる人物はいるけれど、今は言及しないでおこう。
魔道書は『七つの大罪』の名前が付き、七つの国に保管されていた七冊の存在が確認されている。
所在がわかっているのは三冊だ。
カースの所持する傲慢の魔道書。今までに看破と潜伏の魔法を使っているね。恐らくは魔法都市スペルフィルに保管されていたものだ。
ハールバルズの所持する嫉妬の魔道書。槍にルーンと魔法陣を刻むことで、魔道書を開かずとも、簡易的に魔術を使えるようにしているようだ。果たして何処で手に入れたんだろうね。
ロキの所持していた銀色の魔道書は、過去を覗き見ることに用いられていた。恐らく暴食の魔道書だろうね。現在は何処に保管されているのやら。
あとはレインが預かっている強欲の魔道書だね。ホロウリィのダンジョン、ピスケスに隠されていたものをハヤテ達が見つけた。
それじゃ最後に、これまでに出てきた魔法を纏めておこうか。
『強欲』ある物に対して強欲で独占的となる
氷…創造 (レイン)、封印・反射 (フリーズ)
水…心眼・感知 (ギンシ)
『憤怒』触れると激怒する事柄がある
炎…破壊 (フレア)、洗脳・拷問 (アッシュ)
幻…夢現 (メイジー)、変身 (ロキ)
『嫉妬』ある対象に関して嫉妬心を向ける
風…禊祓 (ハヤテ)、加護 (風神)
音…感知 (ソナーレ)
『傲慢』ある事柄に関して傲慢な態度となる
闇…呪術 (カース)
影…潜伏・捕縛 (ツクヨミ)
『色欲』ある条件の相手を魅了する体質
光…占術 (パロマ)
雷…拒絶 (トール)
『怠惰』ある事柄以外には怠惰になりやすい
土…生成・擬態 (ロビン)
木…防御 (ノイバラ)、幻惑 (リーフェル)、成育・活性 (フィヨン)
『暴食』いくらでも食べることが出来る
時間…幸運 (ハヤテ)、回復 (アステ)
空間…召喚 (ロキ)、転移 (ハールバルズ)
こう見るとようやく主要人物が出揃ってきたところかな。
ブルースターの面々がどう活躍してくれるのか、ボクも楽しみで仕方ないよ。
そして、彼らがボクのいる此処へと辿り着くのを心待ちにしている。
『コンコンッ』
おっと、客人が来たようだから、今日はここまでにさせてもらうよ。
次はゆっくりとお茶でも飲みながら。
またね、顔も知らない読手の方々。そしてボクの――




