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ぷわふわ浮いて、きらきらを見つめて 1
目を閉じると思い出す。
あれから一年以上過ぎた今でも。
彼の背中を、
冷たい視線を。
まだ、鮮明に、覚えている。
きっと俺は、忘れることができない。
『たとえ、それがどんなにわすれたいことでも。
なかったことにしたかったことでも。』
だって俺は、
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浮城朱樹
私立 若佳鷺高校
2年1組2番
16歳
好きなものは林檎
嫌いなものはケバい女子
茶色に染めて、ナチュラルにセットした髪
黒のだて眼鏡
少し着崩した制服。
これが、今の俺のプロフィールと、外見的特徴。
…表向きの。
本当は、これにまだ2つ、加えられる。
1つめ、俺はゲイ。
2つめは、
(「…高校の、先生がすきなこと。」)