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武家の嗜み  作者: 澪亜
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英雄の軌跡

私の住むタスメリア王国では、ほんの十数年前まで隣国トワイル国と戦争をしていた。


トワイル国はタスメリア王国の北西にあり、作物の取れにくい土地柄で、かといって目ぼしい鉱産物もなく、貧しい国だった。

だから、だ。

この国の肥沃な土地を狙い、トワイル国が攻め入ったのは。

宣戦布告のない、突然の侵略。


当然、タスメリア王国はまともに対処ができずに幾つかの土地が蹂躙された。


配属されていた国軍それから領主の私兵たちは各個撃破された結果、セズン伯爵家は完全に敵国の占領下に。


その隣の領地であるモンロー伯爵家は北と西という二面方向より狙われ、不利な状況下に置かれていた頃。


お父様の隊に、旧セズン領奪還の指令が下った。

お父様は、国軍第一隊の隊長として部隊一つを率いて戦地に向かった。


侯爵家の嫡男であるお父様が何故激戦地に配属されたかというと、答えはお父様の所属にあった。

通常、王都と王族の守護を役目とする騎士団に貴族の子息は所属する。


それにしたって、武功を狙う次男三男であり、嫡男が所属することはほぼない。


だというのに、お父様は貴族社会は堅っ苦しいという理由だけで騎士団ではなく国軍に入った。

しかも、嫡男であるにも関わらず、だ。


国軍は広く門戸が開かれ、主に平民によって構成されている。

任務は主に、国境守備や国内の治安維持。


国軍と騎士団は水と油のような関係で、騎士団は国軍を「身体を動かすだけの頭のない奴ら」と下に見ているし、国軍は騎士団を「実戦を知らないお坊ちゃん」と下に見ている。


そんな中、よくお父様は貴族の……しかも侯爵家の嫡男ながら国軍に入軍しようと思い至ったものだ。



実際、入軍当初は大変だったと伝え聞く。

国軍内では貴族が入軍したことに反発があったみたいだし、侯爵家も大反対。

特に侯爵家は廃嫡騒ぎがあったほどだ。


とはいえ、そんな周りの混乱を他所にお父様は軍内で持ち前の力によって着々と地位を築いていったらしいけれども。

国軍は身分問わず、広く門戸を開いている。

貴賎は問われず、逆に言えば軍内は完全なる実力主義。


そのため、お父様の実力を前に反発が長引くことはなかった。


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