第7話 当たってますよ・・・
翌日の昼休み。
昼食を手早く済ませると、僕は図書室へと急いだ。
図書室に着き、中に入るが、やはり、いつもの様に人が居ない。
カウンターを方を見ると、当番が変わっても相変わらず、図書委員が黙々と本を読んでいた。
とりあえず僕は、中に入りテーブルにカバンを机に置くと、椅子に座る。
「また僕が先に着いたのかな」
僕は、特に約束はしてないが、先輩が来る事を、なぜか確信していた。
なので、遅れてくるのであろうと思っている。
そうやって一息付いていると。
「諒くん〜」
「むぎゅっ!」
背後から、イキナリ首に抱き付かれた。
苦しくは無いが、イキナリだったので驚いたのである。
後ろを振り返ると、頭の上の方で、和風の美人が微笑んでいるの見えた。
「ちょっと、先輩、イキナリびっくりしたじゃないですか・・・」
「うふふ、ごめんね♡」
言葉では謝るが、舌をチロリと出して、全然悪いと思っている風ではない。
「(ギュッ!)」
「(ぷにっ)」
先輩が、抱き付いた腕の力を少し強めると。
僕の後頭部に、柔らかい物が当たった。
「(えっ!!!!)」
その感触を感じると、僕は激しく動揺した。
「(こ、これはーーーー!)」
先輩の胸が頭に当たっていたのだ。
「どうしたの、諒くん〜♪」
何だか、楽しそうに僕に尋ねる先輩。
「せ、せんぱい! 当たってます、当たってます」
「何が〜」
分かっていながら、シレッと言う先輩。
ああ、この人はワザとやっているなっ・・・。
「・・・胸が、胸が当たってますよ」
「だって、当ててるんだもん〜♪」
そう言って、今度はチェシャ猫の様な笑顔になる。
やっぱり・・・、ワザとやってるな・・・。
「どうしたの? 顔が赤くなってるぞ〜」
「だって、恥ずかしいですよー!」
先輩がチェシャ猫の様な笑顔のまま、僕に尋ねてきた。
僕は、後頭部の感触もさる事ながら。
密着度が高くなったので、女の子特有の甘い匂いがして、更に頬が熱くなる。
「どうして、こんな事をするんですか」
「ふふふっ、諒くんがとても可愛いから、いぢめてあげたくなるのよ♡」
そう言うと、次に僕の首に抱き付いたままで。
体を軽く、左右に揺らし出した。
そうすると、後頭部の密着度が、もっと高まる。
「先輩、恥ずかしいです、止めて〜」
「ん? 何か言った?」
僕の必死の懇願を、聞こえないフリで誤魔化す先輩。
こうして僕は、先輩からの羞恥プレイ?に遭ったのであった。