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夏の涼風  作者: 海獅子
25/36

第25話 悪夢にうなされる


 その日の夜中。



 ベッドに入って寝ていると。



 ・・・



 「もお〜、姉さんは〜」


 「あ、姉さん・・・」


 「危ない!」


 「姉さん、無事だったの、良かった・・・」



 ・・・



 はっ!




 「(ガバッ!)」




 はあ、はあ、はあ・・・。




 「何だったんだ? 今の夢は・・・」




 今、夢にうなされて、急に目が覚めたけど。

起きたら、内容を忘れてしまっていた。


 けれど、とても悲しくて苦しい夢だった事だけは分かる。




 「・・・あ、涙が」




 頬が熱いので触ると、濡れているのが分かった。


 なぜだろう?


 今まで、こんな事は無かった。


 突然の事に、混乱した僕は。

ベッドに身を起こしたまま、呆然としていた。




 *********




 翌日の朝。



 「ふぁ〜」


 「どうした、大きなアクビをして。

どうせ、昨日(ゆうべ)遅くまで、深夜アニメでも見たんだろ」


 「違うよ」




 朝起きると未だ眠気が残り、完全に目が覚めないが。

その状態のままで学校に行き、席に着くと、大きなアクビが出てしまった。


 それを見つけた螢一が笑いながら、からかう様に言ってきた。




 「ちょっと、夜中、しばらく眠れなくなってしまっていたんだよ」


 「ふ〜ん」




 僕はそう言うと、螢一が興味が無さそうな返事を返した。


 だが、僕もそんな螢一より、眠気を抑えるのに必死だった。




 *********




 2時間目終了後の休憩時間。




 「ふあ〜」


 「どうしたの? 大きなアクビをしたね」




 次の授業の為、教室移動をしている所で、またも一人だけ出遅れると。

やはり、狙った様に涼子先輩が現れた。


 今回は必死になって頼んだので、まとわり付いて妨害しようとはしなかった。


 それで、先輩と一緒になって歩いていたのだが。

そうしたら、いきなりアクビが出てしまった。




 「あ、いえ、夜、急に寝られなくなったんで」


 「そうなんだ。

私が一緒に居られるのなら、眠れるまで一緒に居たいんだけど。

私は、この学校の敷地から離れられないのよね」




 そう言うと、先輩は下を向いてしまった。




 「あれ? 先輩。

夜は、どうしてるんですか?

寝てるんですか?」


 「私は幽霊?だから、寝る必要はないけど。

夜は暇だから、図書室で本を見たり、視聴覚室でテレビを見たりするの。

あ、そうそう、今は夜中にもアニメがあるんだね、結構面白いよね〜」


 「はははっ・・・」




 意外な先輩の言葉に、思わず苦笑いを浮かべた。


 しかし、深夜アニメを見る幽霊?なんて・・・。



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