5話目:勇者のお供
次の日から、僕達の訓練が始まった。
戦闘訓練から、教養まで、20日間くらい使って鍛えられた。
戦闘訓練は、かなりきつかった。どっちかというと、インドアな方なので身体を動かすのは得意ではなかった。でも、異世界補正なのか日をこなすごとに身体が動くようになってきた。
教官は、さすが勇者とか褒めていたけど、それでもまだまだ教官の足元にも及ばなかった。まあ、なんでも特技のお陰でかなりの腕前があるらしいのだが、そのあたりもおいおい教えてくれるそうだ。
それから一般常識だが、基本日本と似たようなとこはかなりあったが、やはり魔法がある世界だから、そのあたりの常識がくい違っていた。
例えば、火を熾すにしてもこっちでは魔法や魔法道具を使うといった具合に、いちいち魔法がからんできたりするのだ。
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まあ、そんな具合であっという間に20日が過ぎ、ある程度できるようになってきたところで、今度は仲間との協力や連携などといったことをするというので、いよいよ仲間選びの儀が始まった。
仲間選びは、自分達の好きな相手を選べるのではなく、相手の方がこの人についていきたいと思う人に付くのだそうだ。てことは、人気があれば仲間がたくさんつくし、逆になければ一人もつかないこともあるらしい。一人もつかないって、寂しい奴だよね。んぷぷっ。
なんて、この時は簡単に考えていたのだが…。
この世界では一般的に6人パーティが基本らしい。前衛3人、後衛3人くらいか。それが一番バランスがいいみたいだ。他にも理由があって、ダンジョンなど進む場合は、だいたい2列になるので、回復を真ん中にはさんで進むからだとも言われる。
まあ、特に6人集める必要もなく、4人でも5人でも問題はないのだが、要は効率と見栄えの問題だろう。
しばらくして、訓練場の広場にクラスの仲間が集まった。クラス中といっても、全部で12人だ。他の連中はまだ寝てるのだろうか…?
広場にはすでに勇者お供立候補者が集まっていた。
30人ほどだろうか?鉄の鎧を着た戦士みたいなやつから、全身黒ローブの魔法使いみたいなやつもいる。中には、神官みたいなのもいるが、あれは最初に見た白ローブの人だろう。
それらを、しげしげ見ていると、僕達が入ってきた扉から、白おっさんが出てきて話し始めた。
「それでは、これより選定の儀を開始する。まずは、勇者の方達に自分の神技の説明をしてもらい、その後気に入った勇者のもとに契約するのだ。では、勇者の方々、お願いします。」
まず、最初にジャイ○ンが出て、自分の神技を見せていた。ちなみに、やつの神技は【光の槍】だ。あいかわらずムカつくが、様になっている。
やつが、唱えると両手に光が集まり、あっという間に光で出来た槍が現れていた。かなり強そうな見た目だ。いかにも勇者って感じだ。なんでも、不死者などに特攻らしい。
その後次々と神技を披露しながら、クラスのやつらが説明していった。実際に見せれない神技の人は、口で説明をしていた。例えば、人形を意のままに操る能力【人形使い《ドールマスター》】という能力の子だ。
しかも、この能力がバカにできたものでなく、たとえば土でできた人形でも操れるので、死なない兵士を量産できるという、とんでもチート能力だったりする。
そして、いよいよ僕の番がまわってきた。
といっても、僕もたいしたことができるわけではないので、適当に花を召喚して説明した。今回は【チューリ】という、こちらの世界では一般的な花にした。チューリップに似た花で、なんかあちらの世界とこっちの世界では、ところどころ似ている物があるみたいだ。
「・・・・・」
「・・・・・」
って、まわりからかなり白い眼で見られた。しかたないじゃん。だってこういう能力なんだからさ!
たぶん、クラスの中で最弱に近い能力だ。全然チート感がなく、ましてや役たたず以外の何物でもない。まあ、愚痴ってもしょうがないので、やれることをやったまでだ。
そして、全員の顔見せが終わったところで、立候補者らが次々とみんなの前に並びはじめた。
やっぱり、一番人気は、【光の剣】や【光の槍】といった、見た目も派手な能力のやつらにかたまっていく。多いとこでは4人とか5人とかになっていた。
そして、だいたいが1人か2人ついたところで、僕の前には、
誰もいなかった…。




