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44話目:エルフの森 1

エルフの森の魔物は、魔力が高く、魔法で攻撃をしてくるものがいる。森の精霊といわれる、【ドリアド】や、精霊の言霊といわれる【ウィプス】などがそうだ。【ドリアド】は、人型の一見かわいらしい姿だが、その見た目に騙されて、魔法攻撃をくらいやられる者が後をたたない。一方、【ウィプス】は光の玉のような存在で、直接攻撃が効かず、攻略が難しい相手でもある。


それら、強敵がいるのがこの【エルフの森】だ。もちろん、それ以外にも、魔物はたくさんいるのだが、この森では魔法攻撃が必要で、それらの攻撃手段の無い者が通るには、魔法の力の帯びた武器が必要となるのである。





「やーん、あの妖精かわいいー!」


「はあはあ、ちょちょっと七海!戦闘中戦闘中!」


「あっ、ごめんごめん!でも、どうしよ…。あの子達、かわいすぎて攻撃できない…。」



僕達は今、ちょうどその【ドリアド】と交戦中なのだ。街で、この森に出る魔物の情報は調べておいたから、ある程度攻略は考えていた。なので、後は火魔法で焼くか、土魔法で潰すとかの攻撃でいいのだが…。七海があの容姿のかわいさに負けて攻撃してくれないのだ…。で、しかたなく僕の火魔法で焼くのだが、これまた泣きそうな顔して訴えてくるのでやりずらいのだ。



「うるる…。」


「やらなきゃ、こっちがやられちゃうんだから、しょうがないでしょ。」


「わかってるんだけど、ちょっと抵抗があるのよね…。もう、どうせなら怖い顔ならよかったのに!」



まあ、それはそれでホラーで困るのだが…。


この森を東に抜けると、ランダの街に行けるのだが、船を使わない道になると、どうしても時間がかかってしまう。森を通らないとかなりの遠回りになるので、3日どころか1週間以上かかる距離になるのだ。だが、ここの魔物は魔法攻撃が主体なので、魔法使いのいるパーティでないとなかなか通りぬける事が難しい。なので、あの運河ができてからというもの、この道は益々使われなくなったそうだ。



「でも、あの船に乗るのは地獄だしね…。」


「うん…。2人とも酔いやすい体質だったんだね…。」


「まあ、気を取り直してそろそろ野営の準備でもしようか?」



今回の野営は、神技で仮の家を作ることにした。まあ、家といってもそんなに大きな物は作れないので、2人が寝れるくらいの大きさの小屋みたいなもんだ。その小屋を、ちょっと大きめの木の上に建て、魔物避けにしようと考えたのだ。しかも、木材の材質は、昨日市場で調べた頑丈な木材だから、かなりの頑強さがあるので、一晩くらいはへっちゃらなのだ。



僕が、家を作ってる最中に、七海が食事の準備をし、念のためぬいぐるみ隊に見張りを頼み、野営の準備をした。


シローアでは、念願の【魔法のアイテムボックス】を手に入れたので、ここぞとばかり調理器具を買い袋に詰めてきたのだ。なので、旅の最中でも普通にうまい料理を堪能できるようになったのだ。2人とも【料理】の特技を持っているので、こういう準備は必要不可欠なのだ。


食後、木の上の小屋に入り寝ることにした。狭いため2人でくっつくような形になったが、交代で見張る必要もないのでかなり楽ができた。念のため、ぬいぐるみ隊も見張りにいるので、たぶん大丈夫だろう。



だが、魔物の心配はしなくて良かったが、女の子とくっついて寝てるため、変に目が覚めてしまった。


思春期とは、つらいものだ…。






次の日、ちょっと寝不足の目をこすり、出発をした。今日は、森の奥に入るので、今までより気を引き締めていかねばなるまい。


そうして、太陽が真上にくるような時間帯…。本日2度目の魔物の群れを倒したころ、前方から戦いの音が聞こえてきた。剣戟や声が聞こえてくるので、絶賛戦闘中だろう。



「あっちから、戦闘してる感じがするけど、どうする?」


「うーん、様子を見て加勢する?」


「まあ、そうだな…。敵の魔力もたいしたことなさそうだし、様子を見てこようか?」


「え?魔力の強さなんてわかるの?」


「ああ、意外と簡単だよ。魔法さえ使えればね。今度教えてあげるよ。」


「うん。」


「それより、早く行った方がいいかも…。なんか、一人魔力が尽きた感じがするし…。」



魔力の質はそれぞれ違うので、人と魔物との区別はすぐにつく。なので、魔力が尽きた方が人側というのがすぐにわかったのだが、それはすなわち、魔法の使いすぎでなくなっただけなのか、もしくは

・・・死んでしまったのか、だ。



そうして、慎重に戦闘域に近づき、木々の間から様子を見ると、戦士と魔法使いの2人が【ウィプス】に囲まれていた。傍らには、人が3人横たわっていた。ここからでは生死が確認できないが、おそらく先程魔力が尽きた人だろう。



「あ!?」



七海が何かに気付いたみたいだ。僕も、戦士の男を見て気付いた。




どこかで見たことあると思ったら、クラスメイトのやつだった。



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