40話目:ぬいぐるみ隊
今日も門からゾロゾロとぬいぐるみ達が行進していった。今回は、土で出来た犬型のゴーレムが加わっていて、ある種異様な光景だった。
その行進の一番後ろには、僕と七海の2人がついて歩いていた。門番の方も慣れたもので、普通に手を振って見送ってくれた。
さて、今回は何をするかというと、街にまで道を作ろうと思ってやってきたのだ。今までは、森の小道を通って街まで行っていたのだが、馬車が1台通るのにやっとの広さだったので、かなり不便だったのだ。
まあ、すれ違う程交通があるわけではないのだが…。
だが、道が狭いのと見通しが悪いのとで、魔物との遭遇時の危険がかなり増すのだ。なので、街道を広げる事で少しでも安全に行き来できるようにするというのが今回の目的なのである。
「ねえねえ、ところでどうやって道を広げるの?」
「うん。実は、僕の能力のLVが上がったことで、今までと違うことが出来るようになったんだ。」
「そうんだ!」
「うん。なんと、今度は植物を枯らす能力なんだ。」
「あー、相変わらず偏った能力だよね…。」
「ま、まあね…。まあ、この能力も、召喚の延長みたいな能力で、実際には植物の成長を早めるって感じかな?」
そう、僕の【全花召喚】が最近のぬいぐるみ作りで、ついにLV5になったのだ。すると、能力が進化して、すでに存在する植物にも影響を及ぼす事ができるようになったのだ。つまり、種に使えばそれを成長させ、木にしたり、実をならしたり、さらには枯らしてしまうとこまでできるようになったのだ。
これで、今まで謎だった果物の木の状態までわかるようになった。これからは、いろんな植物を育ててみる《・・》ことで、さらにできることが増えそうだ。
まあ、相変わらず、戦闘には役に立たないけどね…。
そんなわけで、僕はいま街道に広げるために、馬車3台くらいのスペースの木々を枯らしているのだった。僕が枯らしてる間は、ぬいぐるみ達がボディガードになってくれる作戦だ。
今日までに何回か戦闘実験をし、土のゴーレムを混ぜる事で戦闘を安定することができることが分かった。ちなみにゴーレムは、土魔法を使い作った物だ。といっても、ゴーレム自体が動くのではなく、あくまでも七海の能力で動かしているのだ。
動けるゴーレムを召喚するには、燃費が悪すぎて使い物にならないのだ。なので、土でできた人形を操っているのにすぎないのだが…。
「あっ、右の方からゴブリンらしき群れが近づいてくるみたい。」
「じゃあ、いつもどおり、土犬を先行させて、足止めしてるうちにフルぼっこで。」
「りょーかーい。みんな、行けー。」
と、いうぐあいに、あっというまに殲滅完了するのだ。ちなみに、土犬の先制攻撃で、こっちの被害は格段に減り、ほぼ無傷に近い状態で勝利している。
それから、わかったことがもう一つあった。それは、ステータスでは表示できない魔力についてだ。そもそも魔力とは、ゲームでいうとこのMPのようなもので、魔法を使うために必要なモノなのだが、これの絶対量は感覚でしか分からないのだ。
だが、慣れてくればだいたいだが数字の把握ができるようになる。
なので、僕達の神技も魔力で発動できることがわかるのだ。ちなみに、僕の能力でリンゴを召喚すると今ではだいたい2くらいの消費量なのだ。そこから計算して、僕の総魔力は800くらいだと想像できるのだが、ここでも一つ迷わせることがある。
使用魔力は、スキルLVで変化するのだ。要は、LV1のときはリンゴ1つに魔力を10程使っていたのだが、今のLVだとわずか2ほどで済むのだ。
さらに、魔法ばかり使っていると、魔力量も上がっていくので、さらに分からなくなるのだ。なので、けっきょくのところ今の正確な魔力はわからないのだが、まあだいたいの目安で分かるようになったというとこだろう。
そんなこんなで、この作業を続けることで、1月くらいで街道を繋げることができた。もちろん、ドインの街~マーレ王国~ランダの街までの2方向とも繋げたのだが。
おかげで、2人のLVはかなり上がり、
名前:セイジ(主) P
LV:33
職業:剣士
ランク:E
魔魂:3890
特技:【料理 LV2】【裁縫 LV1】
奥技:【武器術 LV3】【属性魔法 LV4】
神技:【全花召喚 LV5】
名前:ナナミ P
LV:29
職業:奴隷
ランク:F
魔魂:3225
特技:【土魔法 LV3】【神聖魔法 LV1】【料理 LV2】
神技:【人形使い《ドールマスター》 LV4】
となった。
普通の一般人の平均がLV10付近で、一端の冒険者でLV20くらいだから、かなり力をつけた方だろう。




