33話目:奴隷商
奴隷商であるクルカンさんに案内されて、僕は今2階の部屋に向かっていた。2階には、6つの扉があり、それぞれに奴隷がいるとのことだった。
「ああ、そうでした。戦闘奴隷といえど、いろいろありまして、お客様はもちろん女の戦士をお望みですよね?」
「あ、ああ…。」
わかってますと言わんばかりに笑顔で対応してきた。たぶん、だいたいがソレ目的で買っていくやつらばかりなのだろう。まあ、僕も健康な男の子だから、そういうのはもちろん興味がある。
いやいや、待て待て。今回は目的が違うだろ。冷静になれ、クラスメイトを救いに来たんだろが。でもまあ、ちょっとだけなら見てみるのもいいよね。うん、変に怪しまれても困るからね。
けっして、やましい気持ちじゃないんだからね!
クルカンさんに案内され、入った部屋には女の人が並んでいた。1・2・3・4・5。5人か…。みんな割と背が高く、引き締まった体をしていた。服は薄いチェニックとでもいうか、おっぱいが見えそうな感じの服を一枚きていた。おそらく戦士といった感じだろう。みんなこっちを鋭い眼で睨んでいた。
ちょっと怖いんですけど…。
クルカンさんが順番に説明していたが、半分以上聞いてなかった。まあ、なんかLV20付近の人達で、戦士として迷宮も潜っていたらしい。
一通り説明も終わって、一旦廊下に出て話をした。この中にはいなかったな…。魔法使いとか言えばわかるかな?いっそのこと、特徴を言ってみるか?でも、なんかふっかけられるかもだし…。
「えっと、仲間に戦士がいるもんで、できれば後衛ができる子がいいんですけど…。」
「ああ、そうでしたか…。今は、いいのが居ないですね…。おおっ!そういえば、今日丁度その手の奴隷が入荷できまして、躾などはまだですがそれでもよろしければ…。」
「ほんとですか!ぜんぜんかまいません。(むしろ、そっちで!)」
「では、こちらに…。」
といって、一番奥の部屋に連れて行かれた。そして、中に入るとそこには、同じく薄い服を着た女の子が6人座っていた。あっちの部屋と違い、こっちの子達はみんな鎖に繋がれた状態で、項垂れていたのだが、そこの一人に目的の子がいた。
というか、他にもいた!こいつらもクラスメイトの女子だ。確か、今井と大桑だったかな?まさか、みんなして捕まっているとは思わなかった。
すぐに顔だけ確認して、廊下に出た。そして、そのまま交渉に入るべく、クルカンさんと応接室に戻った。
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「で、どうでしたか?あまり見てなった様で…。やはりお気に入りの娘はいませんでしたか?」
「あーー、いや、そういうわけではないんですが。うん!決めました!今回は、最後に見たあの黒髪の娘を買うことにします。」
「おお、そうですか!それは、ありがとうございます。」
できるだけ、今決めました的に演技し、これからの交渉に優位になるようにした。
「えー、それでは、確か黒髪は3人いましたな。どの娘が良かったですか?」
「あー、そうだな…。じゃあ、あの端にいた、長い髪の娘で…。」
「そうですか。では、あちらでしたら、魔法使いで需要もあるのですが、今回はまだ調教前ということもありますので、金貨10枚といたしましょう。」
高っ!
あー、でも人間一人の人生を買うことを思えば安いのか?日本円で100万円くらいだもんな。それに、本来はもっと高いようなことも言ってたから、この辺りが相場なのかもね…。
「わかりました。では、これで。」
たぶんぼられて無いだろうと思い、僕は、金貨の入った袋を渡した。
「1枚。2枚。・・・10枚。はい、では確かに受け取りました。では、今回はせめて服は一式サービスいたしましょう。いま、洗って準備をさせますので、しばらくお待ちください。」
そう言い残して、部屋を出て行った。
ふう。けっきょく稼いだお金全部使っちゃたな…。まあ、人助けだし、しかも知り合いだしね。あー、他の2人はさすがに無理だったか…。一人金貨10枚とか、そんな大金ないしな。
うん!見なかったことにしよう!
そして、奴隷商に連れられ、支度終えた竹中七海が出てきた。先程の薄汚れた服ではなく、普通の服に着替えて、身だしなみも綺麗に整っていた。そして、こっちを見て声をあげそうになったのを、口の前に人差し指を立ててしーのジェスチャーをし、黙ってもらった。
「では、こちらで間違いございませんか?」
「ああ、間違いない。」
「でしたら、主従契約をしましょう。」
といい、首輪に血を垂らしてくれと頼まれた。血を一滴垂らすと首輪が光り、そしてそれを七海の首に巻きつけた。
「はい、これで契約は完了です。主人が契約を解除しないかぎり、この首輪ははずれることはありません。また、奴隷が主人を襲おうとしたら、首が締まり動けなくなる仕組みです。」
その後、一通り注意事項の説明を受け、奴隷商をでることにした。
もちろん、後ろには竹中七海の姿もあった。




