3話目:神技
白おっさんの言ったことをまとめると、まずこの世界には魔法があるということだ。
うぉーー、なんかテンションあがる!
魔法の種類とかについては、おいおい教えてくれるとのことだった。
どうやら、召喚はその中でもかなり上位にある魔法らしい。それと、この世界の言葉や文字がわかるのは、召喚時の副作用で翻訳がおまけについてきたのだと言う。
どうりで、口と言葉が合ってないはずだ。おそらく、話している言葉は違うが、途中で翻訳され、それが分かる言葉で耳に入ってきてるのだろう。
あと、これもファンタジー要素が強いのだが、この世界での強さは、レベルとステータスで表わされ、さらにはあるものを使えば、見る事ができるらしい。特殊なものは、頭の中に現れるものもあるらしいのだが、それは本人にしか確認できないものみたいだ。
それから地理についてだが、この世界には大陸が5つあり、そのひとつひとつに魔王が存在するのだという。まあ、ここの人らは自分の大陸の魔王さえ倒してもらえばいいらしいが…。
ここラーシア大陸は、比較的気候も温暖で過ごしやすい土地柄だそうだ。その分、魔物の数も多く、対処に追われているらしい。
そうか、魔物までいる世界とはね。まあ、魔法があるのだから、魔物がいても不思議ではないか。
そして、召喚についてだが、これは最後まで濁していた。
わかったことといえば、地脈とかの関係で召喚ができるのは数百年に一度だという。過去にも、召喚があったらしいが、なにせ数百年前の話なので、文献にも残ってないそうだ。それらを、みつけることができれば元の世界に帰る方法もわかるかもしれないと言われ、別に魔王を倒すばかりが帰れる方法ではないと聞いて安心?した。
最後にお楽しみの僕達、異世界人だけが持てる特技だが、これは【神技】というらしい。異世界から召喚された者だけが使える、強力なスキルなので、まさしく神の技ということで、この名がついたらしい。
そして、神技は異世界の壁を越えた時に身に着くもので、俺達はすでにそれを使えるということだ。また、各々が違う特徴を持っているとも言っていた。
そこで、白おっさんに発動の仕方など聞いてみたのだが、己の中の力を感じることから始めて、いままで感じたことのない力が宿っているはずだから、それを表に出すようにイメージすればいいとのことだった。
正直、ちんぷんかんぷんだったが、ようは「考えるな、感じろ!」ってことだと思う。
それを聞いて、皆さっそく試してみていた。
すると、そのうちクラスの男のひとりが、掌から剣をだしていた。剣といっても、金属の剣ではなく、光で構成された光の剣みたいなやつだ。まわりから、おおっとどよめきがあがり、男は得意そうな顔で誇っていた。
それから、しばらくすると続々と神技を発動する者があらわれた。ある者は、光の盾をだしたり、ある者は光の弓を出したり、まさしく勇者と言われるにふさわしい神技だった。あと、目には見えない力の発動もあったが、どうやらそれは本人だけが理解できる力なようで、しきりにうなずいていた。
僕も、できそうな気がしてきた。
確かに白おっさんの言う通り、うまく言えないが身体全体がモヤモヤしたようなねっとりしたような、不思議な感覚があった。それを右手に集めてみて、力を解放してみた。
すると、掌からポンッッて感じで、花がでてきた。
そう、花だ。
これはバラだろう。
真っ赤なバラだ。
うん、間違いない、バラだなぁ。て思って、バラを見ていると、なにかあたまに説明のようなものが浮かんできた。
【神技:全花召喚】
いままで、見たことのある花を召喚できる。花がない植物でも召喚できる。
数や大きさは本人の魔力とイメージ力に左右される。
でた。神技だよ、これ。
花を召喚する能力って、なんだそれ?
戦いの役にまったくたたないじゃないか。
花束でも持って魔王に届ければいいのか?
「魔王に花束を」ってか?
「なんじゃそりゃーー!!」




