15話目:初戦闘
獣の名前は、【灰狼】といって、このあたりで良く見かける魔物だそうだ。単体ではたいした力はないが、大抵は団体さんであらわれるので気をつけなければならない。
と、戦闘訓練をしていた教官に教わったのだが、まあ、あの程度の魔物なら、大丈夫だろう。「落ち着いてやりゃできる!」ってどっかの親方も言ってたしね。狼の数は、3匹だ。この数なら、まあ一人で何とかなるだろう。
僕は、油断なく剣を抜いた。ここにきて初めて剣を抜いたのだが、以前より手に馴染む感じがする。まあ訓練での剣は摸造剣で、刃もなく重かったからかもしれないが…。
相手もこっちを見つけたのか、3匹揃って一気に走ってきた。さすがに、ちょっと怖いものがあったが、こいつらはこの世界では最弱に近い強さなのだそうだから、たぶん大丈夫。
と、言い聞かせて俺も距離を詰めた。
「だーー!!」
僕は叫びこんで、渾身の一撃を放つ。上段から、袈裟がけに剣を振りおろした。もちろん狼も身を逸らそうとしたのだが、その動きに合わせ軌道を修正し、胴体に当てた。その瞬間、思った程の抵抗もなく狼の胴体はズバッと切れ、勢いよく血が噴き出した。
それを見た他の狼は、一旦距離をとり、こちらの様子を伺いだした。
僕は、戦闘中にもかかわらず、しばらく血が吹き出た狼を茫然と見ていた。なんせ、平和な日本に暮らしていたもんだから、血とかそういうグロ耐性があんまりなかったのだ。
だが、こっちも必死だったからか、もしくは、自分が思っているよりも耐性があったのか、意外と短時間で立ち直れた。
すぐに頭を振り払い、次の攻撃に備えた。
「はあ、はあ、はあ…。」
結果、
残りの2匹も、苦労せずに倒すことができた。まあ、初めての戦闘のわりにはうまく動けたと思う。訓練での成果がでたのかもしれない。
しかし、訓練よりも身体が思うように動けたのは、初戦闘による興奮からだろうか?普通は逆に力んでしまうもんなんだが…。
あと生き物を殺すことに関しては、まあ、おいおい慣れていくしかないだろう。この先こういうことはずっと付き纏うのだから。この世界ではこれが当たり前なのだからと割り切るしかない。
そんなわけで、初勝利をしたのだが、魔物の死体をこのままにしておくのもまずい気がしたので、土を掘って埋めてやることにした。魔物の死体を集めていると、懐にぶら下げてたギルドカードが光り、魔物からなにか白いモヤモヤしたものを吸収していた。カードを見てみると、ステータスの一番下に表示が増えていて、
名前:セイジ
LV:12
職業:なし
ランク:E
魔魂:30
となっていた。【魔魂】という項目が増えていた。おそらくだが、魔物を退治した時にこれを吸収して、その度合いで報酬かなにかでるのではないのだろうか?それに、魔物を倒すまで表示されてなかったから、魔物を退治できないものには、ずっと見る事はできない仕様になってそうだ。
おっと、とりあえず魔物の死体を処分するのが先だな。と、思い直したのだが、土を掘る道具がないことに気付き、諦めてそのまま放置した。
なんか、いろいろいる物がでてきたな…。町に帰ったら、スコップか鍬みたいのを買わなくちゃね。
あれ、そういえば魔物討伐の依頼とかはどうなるんだろう?
あの有名なゲームのモ○ハンみたいに、ガシガシはぎ取りをしなきゃだめなのかな?まあ、肉とかもいずれは必要になるから、近いうちにはぎ取りも覚えなきゃいけないのだろうけど…。
今回は初めてだから、さすがにね。
まあ、明日からということで…。




