9/56
僕が天使だったとき
あの日のわたし、
あの日のあなた。
薄っぺらなアルバム帳。
いくつもの写真たちがそこにはいた。
あの頃僕は
何を思い、笑ったの?
みんなはなにを抱き、
そばにいてくれたの?
笑顔で写る、僕等のうしろへ 背後へ…
僕は記憶に想いを馳せていた。
まだ若き僕ですら
5歳児であったときが
純粋に輝いていたなと思える。
ほんの数個の感情。
あの頃は
複雑な感情なんか何も無くて
日々の一つ一つが本当に楽しかった。
鳥みたいに人も飛べるはずだって
信じてた。
明日がくるのが待ちきれなかった。
あの頃僕だって
天使みたいに笑えていたんだ。