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ヌクモリ
一人一人、体が別々なのは多分、孤独になるためじゃないよなぁ、って
思いました。
右手に残る温もりは
いつ、誰のものだったのかな。
ずっとずっと、
誰かが繋いでくれていたのに。
隣にいるのは冷たい風。
スキップ踏んで舞い踊った。
―上手く生けない私を笑ってる?
東西南北 書かれた地図。
握り締めすぎて、もうクシャクシャ。
もう、いっそのこと捨ててしまおうか?
地図なんてただの紙切れでしょう?
私は一人だけど
孤独ではないもの。
―大丈夫。
君の声が聞こえるんだ。
この温もりが消えても
決して消えないものがココにあるから。