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お日様が顔を出す頃
冬の朝は、なんだか綺麗な心持ちになるな―と思いました。
…寒いですが。
遠くの方で
ヒカリダマ一つ
顔出した
ひんやりと澄んだ空気で
目が覚める
吐く息は白くて
いつの間にか消えてゆく
あぁ
この静寂を音で響かせたい
あぁ
体中を刺すこの冷たさを
いつまでも感じていたい
立ちすくむ私を包み込む光がとても温かいな
雲の隙間から零れる天使の梯子
蜂蜜色の柔らかな色を見つめて
ひとり、泣いていた
あの子に
今の私なら
"大丈夫だよ"って
言えるかな
なんてふと思ったりして
あんまり綺麗なものだから
悲しくもないのに
涙が零れた