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海の底の焦燥

何かやらなくては、と心では分かってるし、焦ってさえいるというのに、

身体が少しも動かないとは何事だ。

自分を自分で叱る。

叱ったって解決できるとも思わないけど。

どうせ、

いくら自分を責めたって

「私」は全然変わろうなんて思わないもの。

だって、変わるのは一苦労だから。

心が疲れるから。

つまり面倒臭いのだ、私は。全てにおいて

最後は自分に帰ってくる。

それにもかかわらず

自分から何かを始めようとしない。

他人から言われて、ようやく「やらなくては」と動く。

それではダメなのに。

何故できない。何故動かない。何故こんなに虚しいのか。

変わらなくては。

私は、私じゃない別の者に

"変わらなくては"


今の私ではダメだ。

まったくダメだ。


唇を噛む。

血など出ないさ。自分がどうしたって可愛いんだから。

"だから駄目なんだよ、お前は"

わかってるって。

充分ってくらい、わかってんだよ。

心が叫ぶ。

冷静な私が呟いた。

"そう言ってるけど、できてないんだから、やっぱりお前は分かってない"


嘲笑う。嫌な笑い。

耳を塞ぎたい。

口だって、喋らないなら付いている意味ない。

こんな物事言わぬ口でよかったら、人魚姫にだってくれてやる。

醜い言葉しか出てこない、こんな口でよかったら。

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