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オレンジイロ
恋のうた。
………です。
空がほんのり色付いて
お日様が帰ってくこの時間。
貴方と二人。
あの小さな丘の下で伝えた、小さな、
小さな告白。
ユメの中の徒競走みたい。
上手く言葉が出てこなくて、歯痒さを噛み締めた。
一度は手を離そうとしたものだった。
もしかしたら、一度は既にくずかごに投げ捨てたものだったのかもしれない。
新たな光に照らされれば
もう、
言葉なしで手を振れると思ってたんだよ。
サクラの記憶がそう言ってる。
"壊れてくものがコワイ"と。
それでも僕は
先のわからない闇を
眩しい朝を
ありのままの僕で
泣いて、笑って、怒って、また泣いて、
生きていく。
人は人を愛すから、
どれだけ頬を悲しみが伝おうと、枯れないのでしょう。
愛する人の笑顔一つで
また歩き出せる。
「単純だね」って皮肉る言葉さえ、微笑み返して。
「消えたい」って哀願する自分さえ、蹴り飛ばす。
蹴り飛ばしてみせるよ。
まっすぐな言葉。
貴方に送る。
お日様が帰ってく、
その前に。
嘘一つないこの想いが
届くように。
強い風に流されないように。
今はまだ、泣かないように。
貴方がすきと、
伝えるまでは。