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人混み
賑やかなのに
胸がすいてゆく。
その虚しさの詩です。
サーーーーーーッと
穏やかに、 伸びやかに
瞬きの間
時は通り雨みたいに過ぎてゆく。
流行で飾り付けられた人たちが
目の前をカナシク
胸を張って歩いてた。
泣きたいのをじっと我慢して
涙を零してしまわないように、歯を食いしばってた。
下に人がいることが唯一の救い。
上に人がいることが数多くの苦痛の一つ。
虚栄や嘘で塗り固められた僕が
一人の言葉で粉々に砕ける。
この悲痛な叫びも
誰からも無視されて、
なかったことになるのかなぁ。