1/56
淋シキ少年ノ愛唄
詩集みたいなものです。
一つ一つがまったく違うものになっています。
楽しんで頂けると嬉しく思います。
淋しき少年の話をしましょう。
昔々と言うには鮮明すぎる記憶。
生きる理由
自分の理由
何一つわからずさ迷っていました。
モノクロームの世界を
どうでもよく
ゆっくりゆっくり歩いていました。
少年は泣くこともできぬ弱虫でした。
優しく歌った少女の話をしましょう。
優しいと言うには哀しすぎる少女。
僕と比べ 貴方は傷だらけでしたね。
でも
誰よりもずっとずっと強かった。
この世に生きた少女でした。
二人が出会ったのは
土砂降りのPM3:26
少年は少女に包まれて
泣けるという名の強さと
切なく優しい少女の歌を手に入れた。
貴方の声を 温もりを
僕は決して忘れない。
忘れたくない。
少女が最後に言った言葉
「前を向いて生きなさい」
少年が言えなかった言葉
「強く生きるよ」
だから誓った。
命ある限り貴方のウタを歌うこと。
全てのものに愛をかかげること。
この空の下で生きる愚か者よ。
その命を投げ出さぬことを誓え。
どうか 生き抜いてくれ。
僕も生き抜く。
生き抜いてみせるから。