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冒険者新聞コラム ~魔物を学ぶ~ 「オーク類及びゴブリン類の真実」

作者: 塩繭子
掲載日:2026/07/23

本文は冒険者新聞の連載コラム「魔物を学ぶ」シリーズ第四回「オーク類及びゴブリン類の真実」より抜粋したものである。

 オーク類及びゴブリン類に分類される魔物が繁殖のため人類種を積極的に襲撃する性質を持つことは読者諸君もご存じだろう。

 広い地域に生息していることもあり、ある種ポピュラーとも言える魔物であるが、魔物研究家であるユリス・キートン氏の研究により近年新たに驚くべき事実が判明した。


 なんと、オーク類及びゴブリン類の99パーセント以上はメスの個体だというのだ。


 オーク類及びゴブリン類はオスの個体が群れの大半を占め、それゆえ繁殖のために人類種の女性を狙い妊娠させる、という常識が広まっていたがそれは誤りだったのである。


 もちろん長年討伐を行ってきた冒険者諸兄からすれば、今までオスの個体しか見たことがない、と反論したくなるだろう。

 しかし、そのオスの個体だと思われていた存在こそがメスなのだとキートン氏は語る。


 ではなぜそのような誤認が発生するのか。それには彼らの生態が深く関係するのだそうだ。

「結論から言うと、オーク類及びゴブリン類は寄生によって繁殖している」と同氏は説明している。


「そもそもオーク類及びゴブリン類のほとんどは人類種の女性を妊娠させてはいない。

 オーク類及びゴブリン類の男性器に類似した器官は寄生蜂などで言うところの産卵管にあたる器官であり、人類種の女性を捕らえた個体は、あらかじめ群れのオスと交尾し体内である程度成長させた胚を被害者の子宮を産み付けて寄生させる。

 その後胚は宿主から養分を吸収し、十分に成長したら体外へと出てくる。

 そのプロセスが妊娠、出産と外見上酷似しているために、これらの魔物について誤った認識が広まることになったのだろう」

 と、同氏は語ってくれた。


 ただし、稀に確認されるハーフオークやハーフゴブリンは、希少なオスの個体に由来するものではないかと考えられているため、今までの常識が完全な誤りであったとは言えないことに留意したい。


 この度のユリス・キートン氏の発見により、魔物学の分野にて長年疑問とされてきたオーク類及びゴブリン類の人類未踏の地における繁殖と個体数維持の方法や、開拓地近辺において交雑種の増加により原種が絶滅しない原因においては一定の回答が得られたものと目されており、魔物学の研究はまた一つ歩みを進めたといえるだろう。


 オーク類及びゴブリン類の99パーセント以上がメスである、という新事実は、まさしく身近な魔物への凝り固まった常識へと「メスを入れた」ものであったわけだ。

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