捨章5
「なぁ、こいつってバグってない?」
「ん?どうした?」
「いや、この隣人の挙動がおかしい気がするんだよ。」
「お前、まさか仕事してる?」
「あたりまえだろ!だったらお前は何してんだよ。」
「いや、仕事をしてるんだけど、その、仕事量とアウトプットの量は……。」
「ああ悪かった、それはどうでも良い。この隣人の挙動って変じゃない?」
「んー、確かに。でも、こんなの気にしてたらキリないぞ?」
「え?そうなの?」
「これくらいの揺らぎの解消は、基本のメソッドに組み込まれてるよ。俺たちが気にするような事じゃない。」
「そうなのか……判別が難しいな。」
「最初はそんなもんさ。何十年やってるサービスだぜ。自分が初めての発見者ってことなほうがありえないだろ。」
「言われてみればそうかもだけど、これ本当に問題ないの?」
「心配性だな。ちょっと見せてみな。んー、隣人単体のバグだな。これならこの隣人を削除するだけで……あー、汎用タイプじゃないのか。」
「どゆこと?」
「隣人にも種類があってな。たいていは量産型でユーザーのお世話やらテクスチャの更新を担ってるんだが、ジェネラルタイプとかゲリラタイプみたいに、単独の機能を持った隣人もいるんだよ。こいつもそのひとつだな。」
「じゃあ削除できないじゃん。マズくね?」
「ダイジョブ。バグる前までロールバックしてやればいいのよ。ほれ、これで直った。」
「あ、ホントだ。普通に動き出した。よくできてるなあ。」
「だろ? よくできてんだよ。」




