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第6話:初バトル・香式

解放試合室に、微かに香料の匂いが混ざった空気が漂う。ユウは掌に小さな瓶を握り、胸の奥がじんわりと熱くなるのを感じた。緊張、期待、そして微かなときめきが混ざり合い、呼吸が浅くなる。

対する鷹宮シオンは、ゆったりと立ちながら鋭い視線を投げかける。シトラスとスパイスの香りが空気を支配し、胸の奥を締めつけるような感覚をユウに与える。肩の奥が微かにこわばり、体の芯が反応する。香りが、心理と体の双方に触れてくる。

「準備はいいか?」

シオンの声は低く、しかし響きははっきりとして、胸の奥にざわめきを生む。ユウは小さく頷き、手元の香料に意識を集中する。胸の奥が熱を帯び、微かなときめきが指先や肩先にまで伝わる。香りが体を揺さぶる感覚――これが香式の戦いなのだ。

一滴、香りを垂らす。空気に溶け込む香りが、胸の奥まで染み渡る。微かに肩の感覚が熱くなる。呼吸が少し重なり、胸の奥で微細な震えが広がる。香りが心と体を同時に揺さぶり、意識を研ぎ澄ませる。

シオンも香りを放つ。鋭い香りがユウの感覚を刺す。胸の奥がぎゅっと締めつけられ、微かに指先が震える。香りが互いの心理と身体に干渉し、戦いはただの勝負ではなく、心と体の微妙な触れ合いになっていく。

「……面白い」

ユウは小さく息を吐く。胸の奥の熱は、ただの緊張ではなく、香りを通じた感覚の刺激だった。香りを重ねるたび、胸の奥で甘くざわめき、呼吸がわずかに乱れる。指先や肩の微かな感覚が、戦いの官能的余韻となって残る。

ユウの直感が反応する。香りの波がシオンの心の動きを示す。胸の奥で熱がじんわりと広がり、微かに体が反応する感覚。呼吸と胸の熱、香りの波動が同期し、初めての香式の戦いがユウの感覚を鮮明に染める。

シオンも反応する。胸の奥で熱を帯び、微かな肩の感覚が揺れる。互いの香りが交錯し、心と体が微妙に干渉し合う。勝敗だけではなく、互いの存在を体と心で感じ合う瞬間――これが香式の真髄だった。

一瞬の静寂。胸の奥のざわめきが、指先や肩の感覚に余韻として残る。香りが心を震わせ、体を揺さぶる。初めてのバトルは、単なる試合ではなく、心理と感覚の交錯――甘くも熱い官能的余韻をユウに残して幕を閉じた。

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